『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』より一部抜粋

(本記事は、福田 由美氏の著書『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』=日本橋出版、2021年11月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?

インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?
(画像=denphumi/stock.adobe.com)

インデックスファンドというのは、あらかじめ定めた指数(インデックス)に連動することを目標に運用する、投資信託のことです。指数には、日本株式ならTOPIX や日経平均株価、米国株式ならS&P500 やダウ平均株価、世界株式ならMSCI コクサイ・インデックスなどがあります。

主なインデックス

日本株式 TOPIX 東証株価指数のことで、東証一部に上場している約2,000社の国内株式全銘柄で構成されている指数
日経平均株価 通称「日経225」と呼ばれ、日本経済新聞社が選んだ、東証一部に上場している225銘柄で構成されている指数
米国株式 S&P500 主要上場市場が米国の取引所(ニューヨーク証券取引所、ナスダック等)に上場している米国株式銘柄から選ばれた代表的な500銘柄の株価を加重平均し、指数化したもの
ダウ平均株価 ダウ・ジョーンズ社が1884年に世界初の株価指数の算出を始めたもので、12銘柄からスタートし、現在は30銘柄で構成されている指数
世界株式 MSCIコクサイ・インデックス モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル社が提供する日本を除く先進国の上場企業株価動向を示す代表的な指数

こういう指数に連動することを目標とするので、指数が上がれば投資信託も上がるし、指数が下がれば投資信託も下がります。つまり、同じインデックスを指標にしている投資信託は、みんな同じ数値を目標にしている訳ですから、多少差があるものの同じような動きをします。同じような結果が待ち受けているということです。つまり、その場合には、コストを特に意識することが最も大切。コストが低い投資信託が、私たち投資家に最も良いリターンを与えてくれる可能性があるということになります。

インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?
(画像=『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』より)

対して、アクティブファンドというのは、それら指数を上回る運用成果を目指す投資信託のことで、ファンドマネージャーが、それぞれの投資信託で決められた運用手法の条件に則しながら、積極的かつ戦略的に投資対象や組入れ比率などの投資判断を行います。よって、アクティブファンドの方が、インデックスファンドよりも、コストがかさむ可能性があり、リターンとコストとシャープレシオを比較する意味合いが高まります。コストより高いパフォーマンスを実現してきたかということを確認します。具体的には、過去の運用実績とコストを比較します。

インデックスファンド コストを最重要視した選び方
アクティブファンド 過去の運用実績とコストとの比較

本書は前提として、資産運用初心者の方、またあまりリスクをとりたくない方対象に書かれていて、コストが低いものを選ぶ方向で選び方を紹介しています。初心者だから、インデックスファンドが良いとは一概に言えませんが、商品を選ぶ際にコスト低めのもので検索すると、アクティブファンドよりインデックスファンドの方が上位表示される可能性が高くなります。アクティブファンドを選ぶときは、コストを上回るパフォーマンスのアクティブファンドを探します。一般的な投資信託の本や雑誌でも、コストを最初の条件にしていることが多いので、インデックスファンドが紹介される割合は高いです。本書でも、インデックスファンドが多く出てきます。

「インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?」この質問に対する、1つの明確な答えはありません。昨今のような世界的に不透明要因が多く不確実性の高い市場では、今後、指標だけに頼る運用では、十分な運用益が確保できるか不安だという声もあります。アクティブファンドの中にも、コストを意識した商品が出てきています。アクティブファンドという一言でまとめられていますが、インデックスファンドのように同じ指標で括られている訳ではないので、こちらは中身が様々なのです。

スクリーニングする際の条件で、最初からインデックスファンドのみを選択肢とせず、自身の投資目標、期間、リスク許容度などの条件を入れながら、リスクを取り過ぎない方法で絞り込んでいき、インデックスファンドもアクティブファンドも両方選ばれてくれば、両方とも取り入れる。そんなハイブリッドな時代になっていくかもしれません。

※上記は、本書からの抜粋であり、著者が作成したもので、今後の投資成果を保証するものではなく例示を目的としたものになります。また、個別株式の売買や投資を推奨するものではありません。

ていねい図解! 初心者のための投資信託教本
福田 由美
都市銀行退職後、渡米し、University of Tenneessee at Martin 経営学部修士修了(MBA)。
財務・会計コンサル会社勤務。一般社団法人ウーマンライフパートナー理事。
資産運用の大切さ・投資信託の魅力などのセミナー講師・執筆も行う。

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『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』
  1. インデックスファンドとアクティブファンドって、どっちがいいの?
  2. 投資する際によく聞く「リスクヘッジ」って何?
  3. 資産配分とポートフォリオの重要性
  4. 投資を始める時に揃えたいもの5つ
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(提供:Wealth Road