ダウ平均は米国の代表的な株価指数で、ニュースでよく取り上げられます。なぜダウ平均は重要な株価指数のひとつとして扱われているのか、その成り立ちや構成銘柄から確認していきましょう。

ダウ平均とは?

ダウ平均とは?構成銘柄や利用シーンを紹介
(画像=Nikita/stock.adobe.com)

ダウ平均はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する、米国の代表的な株価指数です。「ダウ工業株30種平均」「ダウ輸送株20種平均」などいくつか種類がありますが、一般的には「ダウ工業株30種平均」をダウ平均やNYダウと呼びます。

ダウ平均を開発したのは、世界的に有名な経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」を発行するダウ・ジョーンズ社で、現在はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社がダウ平均を公表しています。

「ダウ工業株30種平均」は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場する銘柄から同社が30銘柄を選定して算出しています。構成銘柄の多くがニューヨーク証券取引所に上場していることから、「NYダウ」と呼ばれることもあります。

ダウ平均は米国の各業種の代表的な銘柄で構成されることから、米国の経済動向を知る上で参考になります。「工業株」という言葉が入っていますが工業以外の業種も多く含まれており、米国経済をけん引する企業が選ばれています。

ダウ平均の構成銘柄

2022年5月現在の構成銘柄をいくつかピックアップしました。世界的に知名度の高い企業で構成されていることがわかります。なお、時代の流れを反映させるため、ダウ平均の構成銘柄は不定期で入れ替えが行われます。

アップルiPhoneやMacを手掛ける巨大テクノロジー企業
アメリカン・エキスプレスクレジットカードの国際ブランドを提供する企業
ボーイング宇宙開発も行う米大手航空会社
ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー全世界に知られるエンターテイメント企業
ゴールドマン・サックス・グループ投資・貸付・保険等を担う巨大金融系企業グループ
ホーム・デポ世界最大のホームセンター小売チェーン
IBM世界170ヵ国以上で事業を展開するテクノロジー企業
インテルコンピュータの進化をけん引した世界最大の半導体メーカー
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)コンタクトレンズなどヘルスケア製品を開発する企業
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー世界有数の総合金融サービス会社
コカ・コーラ全世界にファンがいる飲料メーカー
マクドナルド全世界に展開するハンバーガーチェーン
ナイキスニーカーやスポーツウェアを扱う企業
ビザクレジットカードの国際ブランドを提供する企業
ウォルマート世界最大のスーパーマーケットチェーン

上記はダウ平均の代表的な銘柄です、

ダウ平均以外の米国の代表的な株価指数

続いて、ダウ平均以外の米国の代表的な株価指数を2つ紹介します。ダウ平均だけでなく、いくつかの株価指数に注目しておくことで、より米国の経済動向をとらえやすくなります。

S&P500

S&P50は、ニューヨーク証券取引所・ナスダック市場に上場する米国企業500銘柄で構成される株価指数です。歴史はダウ平均よりも長く、四半期連続黒字といった厳しい基準を満たす銘柄で構成されます。なお、ダウ平均の構成銘柄はS&P500の構成銘柄の中から選ばれます。

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場する全銘柄を対象に算出される株価指数です。ナスダック市場は新興企業向けの株式市場で、アップルやマイクロソフト、テスラ、ネットフリックスなどが上場しています。日産自動車や任天堂など、日本企業も数多く上場しています。

日本の代表的な株価指数

続いて、日本の代表的な株価指数を2つ紹介します。

日経平均株価

日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した225銘柄から構成される平均株価です。225銘柄は、東京証券取引所プライム市場上場銘柄の中から選ばれます。日本の経済動向を表す代表的な指数として知られています。

TOPIX

TOPIXは東京証券取引所が発表する株価指数で、日本語で「東証株価指数」意味します。原則として、東京証券取引所プライム市場に上場する全銘柄を対象に算出されます。

ダウ平均を活用できるシーン

続いて、ダウ平均を活用できる3つのシーンを紹介します。

1.米国株に投資したいとき

近年、将来高い成長が見込める米国企業への投資が注目を浴びています。人気の投資先は、GAFA(※)を含む米国の巨大IT企業です。

(※)GAFAMはGoogle、Amazon、Meta(旧Facebook)、Appleの4社の頭文字を取った通称です。

米国株に投資したいと考えるなら、米国の経済動向を把握しておく必要があります。ダウ平均やS&P500などの株価指数は過去から現在に至るまで、米国の株式市場がどのように成長してきたかを知る手がかりとなります。

2.日本株に投資したいとき

日本株の株価はより規模の大きい米国株の影響を受けます。日本株に投資する際も、ダウ平均やS&P500などの株価指数を通して米国株全体の動向を把握することで投資判断の材料として役立ちます。

3.投資信託を購入したいとき

投資信託の中でも、株価指数との連動を目指す「インデックス型」」は値動きが指数と概ね連動するので、日ごろ目にするニュースから自分の資産の状況を把握しやすいことで知られています。ダウ平均をベンチマークとする投資信託もあるので、投資先の選択肢として検討してみるのもよいでしょう。

ダウ平均を投資に活かそう

ダウ平均を始めとする株価指数は、具体的な投資先を決める時や、経済動向を把握したい時に活用できます。特にダウ平均は米国の規模の大きい大企業が構成銘柄に入っているため、米国経済の動向の把握に役立つだけではなく、日経平均株価の動きの予測にも活用できます。そのため、ダウ平均の構成銘柄や値動きを知ることで、今後の投資に役立てることができるでしょう。

※上記は参考情報であり、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。

(提供:Wealth Road