この記事は2022年8月24日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年8月24日(水)の午前11時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

マーケットの注目は、2022年8月26日(金)のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演。そのため、ボラティリティが高まっており、マーケットは不安定な動き。

2022年8月23日(火)の欧米市場では、8月米製造業・サービス部門PMI速報値に続き、7月米新築住宅販売件数や8月米リッチモ ンド連製造業景気指数が予想より弱い内容となったことでドルが反落し、米ドル/円は一時135.81円まで急落するという神経質な展開となっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ユーロはじりじりと値をさげており、ユーロ/米ドルは再びパリティ(1.0000ドル)を割り込んでいる。これまでも紹介したように、欧州に関しての悪材料は天然ガスの高騰を筆頭に電力価格の急騰だ。これまでも多数報道されているが、電力価格の急騰に関しては、今週特に話題になっている。

欧州の電力指標であるドイツの1年物電力先物価格が2022年8月22日(月)に25%余り急伸し、初めてメガワット時当たり700ユーロを上回っている。この時期としては過去5年間の平均の約14倍となる模様。14倍は強烈だ。ベルギーのデクロー首相は、欧州は最長で10年に渡り辛い冬を迎える可能性があると指摘。

ユーロ/米ドルに関する主要銀行の見通しは下記の通り。よってスタンスは、ユーロ/米ドル、ユーロ/スイスフランのショート継続。

1.モルガン・スタンレーは7~9月(第3四半期)にユーロが2000年代初め以来となる0.9700ドルまで下落すると予想。
2.ノムラ・インターナショナルは9月末までに0.9750ドルが目標としつつ、エネルギー供給面の圧力で停電のリスクが強まるなどとして期中には0.9500ドルかそれ以下が視野に入る場面もあるかもしれないとの見方を示した。
3.ソシエテ・ジェネラルの為替ストラテジスト、キット・ジャックス氏は顧客向けリポートで、「夏の終わりにユーロに売り圧力が戻った。ドルが買われていること、ユーロ圏経済を覆う危機的な状況が解消されていないことなどが理由だ」と指摘。

(出所:ブルームバーグ)

▽ユーロ/米ドル の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。