この記事は2022年10月26日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=rrice/stock.adobe.com)

2022年10月26日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週21日(金)と今週24日(月)に政府・日銀による為替介入が実施された(政府からの正式なコメントはないが)。いずれの介入も米ドル/円は5円近い急落となったが、下落局面での押し目意欲は旺盛で結果として絶好の買い場提供となってしまっている。

介入は回数を重ねるごとに戻りが鮮明になっているため、催促相場や介入による押し目を狙う参加者が増えている。しかし、今週末28日(金)の日銀金融政策決定会合や、来週のFOMCといったイベントを控え、流れが変わる可能性は十分にあるので警戒感は高めておきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は日米の金利差を背景に催促相場から上値をトライしていく展開で、実際に介入局面では丁寧に押し目を拾っていくオペレーションで臨みたい。

明後日28日(金)の日銀金融政策決定会合でも黒田総裁が前回のように「あと2~3年は利上げしない」「必要があれば、躊躇なく金融緩和」といったいつもの黒田節が確認されれば円安イベントになる公算が高い。

しかし、巨額の介入資金を投入して円安を抑えているだけに、黒田総裁も円安になりそうなコメントは控えてくるかもしれない。また、FRBも足もとで弱い米指標が続いていることもあるが、ボードメンバー発言を聞く限り、引き締めペースを落としにきているように感じる。

あと、この介入相場を狙った参加者の米ドル/円ロングが膨らんでいることも気になる。147円ミドル付近まで下がってくると膨れ上がったロングを一旦は切りに行く動きがあってもおかしくはないだろう。

米ドル/円は上昇トレンドの大きな流れは変わっていないと考えるが、短期的には下値を探る動きにもついて行けるよう準備はしておきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。