本記事は、河合薫氏の著書『50歳の壁 誰にも言えない本音』(エムディエヌコーポレーション)の中から一部を抜粋・編集しています。

「働かないおじさん」と思われているのか不安です

私は〝お荷物〟ですか?

男性,ビジネスマン,50代
(画像=One/stock.adobe.com)

「働かないおじさん」という世間に流布るふする言葉は、ただの言葉ではありません。

人の内面に入り込み、周りに伝染させる威力を持つ、「呪いの言葉」です。


「あれこれ試してみたんですが、ダメですね。っていうか、客観的に見ると、私も何もしていないと思われているんじゃないかって。私がここにいること自体がお荷物なのか? 周りとか関係ないと思えば思うほど、気になってしまうんです」

こう切り出したのは、某大手企業に勤めていた白木さん(仮名)、50代の男性です。

白木さんは昨年、系列会社に出向になりました。役職定年をして、1年後の出来事です。片道、格安切符の辞令に、「ついに用無しか……」と落胆する一方で、「新天地はリセットするきっかけになる」と、決意を新たに意気込みました。

ところが、がんばれど、がんばれど手応えがない。自分に注がれる周囲の〝まなざし〟に自尊心が揺らぎ、真っ暗闇の回廊に入り込んでしまったそうです。