本記事は、大杉潤氏の著書『定年後のお金の不安を解消するならこの1冊！ 定年ひとり起業マネー編』（自由国民社）の中から一部を抜粋・編集しています。
「60歳から老後資金を作る」ための7原則
ではこの年表作成のベースになる基本的な考え方として、「60歳からの老後資金の作り方7原則」を以下に提示します。
- 自己投資を行い、「自分が主役の人生」を実践するロールモデルを探す
- 子どもへの教育投資、両親への介護サポートを早めに実践する
- 60歳以降もできる限り長く、「好きな仕事」で働き続ける
- 65歳以降も年金受給開始を延ばしながら長期積立投資を継続する
- 夫婦で家計キャッシュフロー戦略（収支管理）を考える
- 75歳前後でライフワークに絞った「サード・キャリア」にライフ・シフトする
- 生涯現役の働き方で夢の実現を目指し続ける
一般に言われている「老後資金」対策とはかなり違う印象かもしれません。
若い頃からコツコツ節約して積立投資をするのではありません。
積立投資は60代になってから、とくに65歳以降、どれだけ長く継続できるかが勝負だと私は考えています。
では、7原則を1つずつ説明していきましょう。
1番目の「自己投資を行い、『自分が主役の人生』を実践するロールモデルを探す」についてですが、私の場合は毎日ビジネス書を読んで、そこに書いてある内容を実践するというのが最大の自己投資でした。
年間300冊以上のビジネス書を社会人になって以降、40年間読み続けていますので、1万冊を超えています。
ビジネス書の単行本1冊を平均1,500円とすれば、これまで、1,500万円の自己投資をしてきたことになります。
実は、これとまったく同じメソッドを提唱し、自ら実践している本が昨年11月に出版されました。『「読む」だけで終わりにしない読書術1万冊を読んで分かった本当に人生を変える方法』（本要約チャンネル著・株式会社アスコム）という本です。
この本は、私の2021年12月15日付ブログにも書評記事を掲載していますが、登録者数80万人を超える人気のYouTubeチャンネル「本要約チャンネル」を運営する、たけみさんとりょうさんが自らの人生を変えてきた体験を、再現性あるメソッドとして公開・解説している本です。
この本を読んでビックリしたのは、このメソッドこそ私が40年かけてやってきた方法そのままだったからです。
読むだけではなく、本に書いてある中身を実践して検証する、というのがポイントです。
私の場合は、単なるノウハウやテクニックではなくて、「考え方」「行動習慣」「生き方」「人生設計」など、自分の生き方のロールモデルにしたい著者を探し続けました。
これという本に出会ったら、その著者が書いた本はデビュー作から最新作まですべて読んでいき、その良い点を真似して自分の人生に取り入れていくのです。
ビジネス書への投資は最も効率の良い自己投資だと私は考えています。
１冊のビジネス書のバック（背景）には平均100冊の参考文献があり、それを丸ごとインプットできるのがビジネス書です。
これは昨年亡くなった作家の立花隆氏が言っていたことで、彼は私の5倍以上となる約6万冊の本を読み、都内の賃貸ビルにスペースを借りてすべての蔵書を保管していました。
1冊の本を書き上げるのに毎回、そのテーマの本を100冊は読んでインプットしながら書いている、とインタビューで答えています。
ビジネス書の著者は、私もそうですが人生をかけて1冊の本を世に送り出しているので、本を読むことで著者の人生をそのまま追体験することができます。
ソフトバンクグループの孫正義社長、ファーストリテイリングの柳井正社長など、成長している企業の経営者は私の知る限り、例外なく大変な読書家です。
とくに経営書、ビジネス書を多読・速読する習慣を持っているのです。
早稲田大学政治経済学部を卒業、日本興業銀行に22年間勤務したのち東京都に転職して新銀行東京の創業メンバーに。人材関連会社、グローバル製造業の人事、経営企画の責任者を経て、2015年に独立起業。
年間300冊以上のビジネス書を新入社員時代から39年間読み続け累計1万冊以上を読破して、約2,500冊の書評をブログに書いて公開している。
静岡放送SBSラジオ『IPPO』に毎月レギュラー出演のほか、NHK『あしたも晴れ! 人生レシピ』、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』に出演。
妻が社長の合同会社ノマド&ブランディング・チーフコンサルタント、株式会社HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント株式会社・プロフェッショナルパートナー、株式会社カインドウェア顧問。
著書に『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)、『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版)がある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます
