本記事は、大杉潤氏の著書『定年後のお金の不安を解消するならこの1冊! 定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。

インデックス投資
(画像=Pixels Hunter/stock.adobe.com)

インデックス投信の王道は「米国株S&P500インデックス投信」

さらに突っ込んで、具体的にどのインデックス投信を買えばいいのかをお話ししましょう。

最初にお断りしておきますが、「いい商品」は時代とともに変わりますので、投資はぜひ自己責任にて行ってください。

投資結果に私は一切の責任を負いません。

ただし、ズバリ、おすすめの投信商品まで具体的にお伝えします。

まず「つみたてNISA」の対象商品になっていることが大前提ですので、200本の中から選びます。

つみたてNISAは年間40万円の枠しかないので、それを超える金額での投資の場合でも「つみたてNISA」の対象商品から選択してください。

今はこれだけ世界的に低金利になっているので債券よりは株式、それも米国株式です。

世界経済を牽引しているのは米国経済であり、軍事力、技術力、資本力はもちろん、先進国の中で唯一人口が大きく増えているのも米国です。

世界の基軸通貨は米ドルで、その地位は当分揺らがないでしょう。

そうした総合力から考えて米国株、その中でも米国を代表する500社が選ばれ、随時銘柄入れ替えも行われている米国株S&P500というインデックス(株価指数)に連動する「500インデックス投信」が最有力でしょう。

世界で最も成功した株式投資家と言われる米国のウォーレン・バフェット氏が遺言のようにパートナーや後継者に残している投資法が、「投資資金の9割を米国株S&Pインデックス投信に配分する」ことです。

日本にも「米国株S&P500インデックス投信」は複数、設定されていて人気を博しています。

その中でどれを選ぶかですが、信託報酬率が安い順に複数の投信を選んで分散して投資するのがいいでしょう。

信託報酬率は引き下げ競争をしているので、どれが最安値の投信かは時々刻々、変化していきます。競争力のある投信は人気があるので、純資産額を見て、大きくて増えているものを選べば間違いありません。

今のところ私がすすめるのは、「e MAXIS Slim 米国株S&P500」、「SBI・V・S&P500インデックス」です。

この2つが信託報酬料率の引き下げ競争を展開しています。因みに、2022年2月4日現在の信託報酬率は、それぞれ0.0968%と0.0938%です。

その他、ほぼ同じ投資コンセプトで高パフォーマンスが期待できるのが、「ニッセイ外国株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」

こちらの2022年2月4日現在の信託報酬率は、それぞれ0.1023%と0.132%となっていますが、これらの手数料コストは競争もあって随時改訂されますので、時々チェックしておくべきです。

定年ひとり起業 マネー編
(画像=定年後のお金の不安を解消するならこの1冊! 定年ひとり起業マネー編)

以上の4本は局面によって信託報酬率などコスト優劣が変動するので、私はほぼ均等に投資資金を配分して積立投資をしています。

他にも米国株だけに集中しないように配慮するなら、「e MAXIS Slim 先進国株式」「e MAXIS Slim8資産均等」(債券や不動産も組み入れ)も加えるといいでしょう。

これらの投信に毎月、一定金額で積立投資をすることです。

毎月いくら積立投資をするかはケースバイケースです。子どもの教育資金がかからない定年前後の世代になれば、毎月の生活費を除いたほとんどの金額を積み立てに回すことも可能なので、現役で稼ぐ期間が長くなれば、かなりの投資額になるでしょう。

退職金としてまとまった金額を手にしても、いっぺんに全額を投資するとインデックス投信といえどもリスクがあります。少しずつ積み立てるように同じ金額で投資し続けましょう。

最後に、どの証券会社を使って取引するかという質問をよく受けますので、取引証券会社について触れておきます。

一般的にはネット証券が手数料が低く投資商品の選択肢が多いので人気があります。

SBI証券と楽天証券が双璧で若い人を中心に口座数を急増させていますが、私のおすすめはSMBC日興証券

オンライン取引の「日興イージートレード」は使いやすく、いざとなったら店舗へ行くことも可能なので安心感があります。若い人は店舗の必要性を感じていなくてすべてネットで完結するネット証券の方がシンプルでいいと言います。

好みの問題なので、使いやすくてコストが安ければどこでもいいでしょう。

証券会社は万一、倒産した場合でも「倒産隔離」といって、投資した投信はすべて信託保全されているので、証券会社の信用リスクはありません。

老後資金を作る投資は、とにかく手数料の安さが大事。次が為替リスクと投資時期の分散です。あなたに合った証券会社を見つけ、「つみたてNISA」を活用して、長期・積立・分散投資の感覚をぜひ身につけてください。

=年ひとり起業 マネー編
大杉潤
1958年東京都生まれ。フリーの研修講師、経営コンサルタント、ビジネス書作家。
早稲田大学政治経済学部を卒業、日本興業銀行に22年間勤務したのち東京都に転職して新銀行東京の創業メンバーに。人材関連会社、グローバル製造業の人事、経営企画の責任者を経て、2015年に独立起業。
年間300冊以上のビジネス書を新入社員時代から39年間読み続け累計1万冊以上を読破して、約2,500冊の書評をブログに書いて公開している。
静岡放送SBSラジオ『IPPO』に毎月レギュラー出演のほか、NHK『あしたも晴れ! 人生レシピ』、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』に出演。
妻が社長の合同会社ノマド&ブランディング・チーフコンサルタント、株式会社HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント株式会社・プロフェッショナルパートナー、株式会社カインドウェア顧問。
著書に『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)、『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版)がある。

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