この記事は2023年1月31日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=yoshitaka/stock.adobe.com)

2023年1月31日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

マーケットとしては米ドル/円が下に突っ込んだ際のショートがまだ残っており、下はそれなりに堅そうだが、FOMCもあるためここから大きく買い上がる感じはしない。

焦点は来月2月に発表される日銀総裁人事。これが決まるまではYCC(イールドカーブ・コントロール)の話も出てこないと思うので、海外勢も頑張って円を買う感じではないだろう。人事発表があるまで、米ドル/円は直近安値である127.22円付近までは下がらず、上値も132円に届かずといったレンジ相場となりそうだ。

また、次のFOMCでの「25bp利上げ」はマーケット全体で広く織り込み済み。そしてその後もおそらくあと1回は利上げをすると見られているが、3度目があるかどうかが不明。ただ、それでも日米の金利差は拡大方向ではあるのだが、それがドル買い材料にはならない。

どちらかというと利上げ幅が縮小していることで、利上げの打ち止め感が強まり1~3月期はそちらが意識され、ドルは買われづらくなるだろう。しかし実際に「利下げ」となるのはかなり先の話で、一般的には2024年と言われている。もしリセッション等が明確になり早まったとして2023年の10~12月期辺りまでの前倒しの可能性はあるが、今のところはまだそこまでは見込んでいない。

日銀人事に関しては、日銀出身者である翁氏が女性初の副総裁候補に挙がっている。翁氏は日銀自体の変革の必要性をうたっている。よって翁氏が実際に副総裁就任となれば海外勢はYCCのチェンジが近いと思い、猛烈な円買いを仕掛けてくる可能性がある。

ただ、現段階でナンバーワン候補であるにも関わらず、そこまで強く持論を展開することに対する疑問を抱いてしまうのも事実。総裁候補に関しては雨宮氏が有力だが、トヨタの社長を退任したばかりの豊田章男氏だという噂も出始めている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは128.00~131.50円。戦略としては跳ねたところを売りたいが、利食いは確実にこなしていきたいといったところ。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。