この記事は2023年6月29日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年6月29日(木)の午前11時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は昨日28日(水)の海外市場で7カ月半ぶりに144.61円前後まで上昇。
ECBフォーラムのパネル討論でパウエルFRB議長が年内2回利上げの可能性を示唆した一方、植田日銀総裁は大規模金融緩和を当面続ける考えを改めて示したことでドル買い・円売りの流れが加速した。
日米金融政策の方向性の違いというテーマは不変。
現在の為替相場の戦略やスタンス
本日29日(木)の米ドル/円は心理的節目の145.00円を意識した相場展開が見込まれる。ただし、本邦当局による円買い介入への警戒感がくすぶる中で一気に145円台に乗せるのは容易ではなさそうだ。政府筋による円安けん制(口先介入)のトーンが一段と上がる可能性も否めない。
144.30~144.50円に20億ドル超の本日29日(木)満期を迎えるオプションが設定されていることも値動きを鈍らせそうだ。仮に145.00円を突破して上伸するとすれば、介入警戒感がいくぶん薄れる欧米市場になると見られ、それもオプションのNYカットオフタイム(日本時間23時)を過ぎてからとなる公算が大きいのではないだろうか。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。