この記事は2023年6月28日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年6月28日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日27日(火)のマーケットの注目はラガルドECB総裁。ECB年次フォーラムの基調演説で「ECBが近い将来に完全な自信を持ってピーク金利に達したと宣言できる可能性は低い」とし、「見通しに大きな変化がない限り、7月も利上げを続ける」とコメント。
エコノミストの過半数はECBが7月に中銀預金金利を3.75%とした後に利上げを停止すると予想しているものの、短期金融市場は年内に4%前後でピークを付けるとの見方を織り込んでいる。
ラガルドECB総裁は「実際に政策の伝達がどの程度強いかが、利上げのインフレに対する効果を左右するだろう。それが政策軌道の見通しに反映されることになる」と、インフレ要因は賃金ともはっきりコメントしている。
日本でも賃金がじわじわと上がってきていることもあり、もうすでにデフレではないと思っているが、動かぬ日銀。必然的にクロス円が総じて上昇し、スイスフラン/円は161.30円と史上最高値を更新している。
スイスフラン/円の今年の安値は137.44円なので、半年弱で24円弱急騰している。中期でもっているスイスフラン/円とシンガポールドル/円のロングは変わらず継続。
現在の為替相場の戦略やスタンス
クロス円の上昇に連れ、米ドル/円も続伸。一時年初来高値である144.17円まで到達。
本日28日(水)日本時間早朝、神田財務官が「円安は急速で一方的、あらゆるオプション排除しない」とコメントしたことで、現在144.00円を割り込んで143.85円で推移。144円台になっていたので牽制した形。
もう一段、牽制のトーンが上がると警戒感が増すといったところか?昨年と相違し、急速に円高に誘導すると、せっかく上昇している日本株が崩れてしまうが、今回は当局がどういう対応をするのかに注目。
豪ドル/円かスイス/円のロングを少額継続し、本邦当局からの牽制コメントによる円高局面でリスクを増やす予定。
▽米ドル/円の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。