この記事は2023年8月8日(火)に「羊飼いのFXブログ」公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年8月8日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。
現在の為替相場の傾向や相場観
今週は明後日10日(木)のCPI以外に大きなイベントはない。ただそれよりもこれまでに起こった日銀の政策変更やフィッチによる米国格下げ等のイベントをどう消化するかが問われているのだと思う。
一番顕著な変化は、米30年債の金利上昇だ。米景気後退を予想して米国の長短金利差の逆転がより広がると見てそうしたポジションに多くの債券トレーダーが賭けていた訳だが、損切を余儀なくされている。フィッチの格下げの影響もあるかもしれないが、日銀の政策変更が米長期金利の上昇をもたらしたのだろう。
短期である2年債の金利が低下するなか、長期金利は上昇しており、為替市場はそれをどう判断していいか迷っていたと思うが、最終的には30年債の金利上昇を反映して米ドル/円は堅調に推移するものと思われる。
現在の為替相場の戦略やスタンス
明後日10日(木)のCPIの結果が仮に低い数字だったとしても、既にほぼ下限に来ているため、CPIでドルが下がったところは押し目買いのチャンスだろう。
いずれ145円を突破して150円をうかがう展開を想定している。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。