この記事は2023年12月6日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年12月6日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドルは「利下げ」を意識した展開となっている。先週、ウォラーFRB理事が「利下げ」に言及した一方、その他メンバーは「利下げ時期尚早」など概ねタカ寄りの内容が続いたほか、パウエル議長もこれまで通りのタカ派スタンス堅持で利下げを一蹴した。
しかし、参加者はFRBの「タカ」を信じてはおらず、市場では「来年3月からの開始、年末まで5回」の利下げシナリオを織り込んでいる(FedWatch・CME)。 ウォラーFRB理事から飛び出したハト派発言をトリガーに、米経済悪化・金融緩和転換への観測が高まっているのは間違いない。
今週は週末8日(金)に米雇用統計が予定され、結果次第ではひと際敏感に利下げに前のめりになってくるかもしれない。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円は先週から3円程度の下落となったため、スピード調整の反発は入るものの、上値は重い。
短期では売り仕掛けが入りやすく、下落中ロングでつかまっているプレイヤーが多数いることを踏まえると、雇用統計をはじめとした米指標を材料に、ダウンサイドを攻める展開には警戒が必要だろう。下方を試す局面があればついて行きたい。
一方で、来週には12月FOMCも控えているほか、そもそもFRBの利下げ開始はまだ先の話であり、日米金融政策のスタンス差に変化はない点は忘れてはいけない。
仮に米雇用統計が弱い内容で深めに下げた場合は、ポジションが軽くなり早々に再浮上する可能性もあるため、下値を拾う選択肢も持っておきたい。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。