主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月29日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(金)の為替相場
(1):日銀 12月会合議事要旨公表
(2):ECBメンバーのハト派的発言続く
(3):コアPCEデフレーターが予想を下回る
(4):中古住宅販売仮契約指数は予想を大幅に上回る伸び
▼26日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:堅調地合いを維持/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(金)の為替相場
span style="font-size: small; padding: 5px;">期間:26日(金)午前7時10分~27日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀 12月会合議事要旨公表
日銀は昨年12月の金融政策決定会合の議事要旨を公表。マイナス金利政策の解除を含む金融政策の転換のタイミングについて「春の労使交渉の動向をみてから判断しても遅くはない」などと慎重な見方が複数の委員から出された一方で、別の委員からは「慎重に確認を重ねた結果、目標の実現を損なうリスクを避けるためにも、タイミングを逃さず政策の修正を図るべきだ」との意見も出ていたことがわかった。また、金融政策正常化の手段について「長期金利の不安定化を避けるための緩やかな枠組みは残しておくことも考え得る」といった意見や「マイナス金利などを解除したあとも、当面は大幅な金融緩和を継続していく可能性が高い」といった意見も出ていた。なお、これより前に発表された1月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+1.6%と市場予想(+1.9%)を下回り、2022年5月以来の2%割れとなった。
(2):ECBメンバーのハト派的発言続く
ラトビア中銀のカザークス総裁は「ユーロ圏の労働市場に幾分かの軟化が見られる」としながらも「賃金の伸びは依然として比較的力強い」として「時期尚早な利下げは代償が大きい」との見解を示した。その後、リトアニア中銀のシムカス総裁も「データは3月の利下げを支持していない」と発言した。
(3):コアPCEデフレーターが予想を下回る
米12月個人消費支出(PCE)は前月比+0.7%と市場予想(+0.5%)を上回り、米経済のけん引役である個人消費が引き続き堅調なことを示唆。米12月PCE物価指数(デフレーター)は前年比+2.6%で予想と一致した。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.9%と市場予想(+3.0%)をやや下回った。ドルは一時下落したが、米連邦公開(FRB)の早期利下げにつながるほどのインフレ鈍化は見られなかったとして米長期金利が持ち直すとドルに買い戻しが入った。
(4):中古住宅販売仮契約指数は予想を大幅に上回る伸び
米12月中古住宅販売仮契約指数(販売保留指数)は前月比+8.3%と市場予想(+2.0%)を大幅に上回る伸びを記録。住宅ローン金利の低下を追い風に、伸び率は2020年6月以来の大きさとなった。
26日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:堅調地合いを維持
26日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。米12月個人消費支出物価指数(コアPCEデフレーター)の鈍化を受けて147.41円前後まで下落する場面もあったが、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待でNYダウ平均が史上最高値を更新する中、長期金利が持ち直したことで148.21円前後へと反発した。米12月コアPCEデフレーターは伸びが鈍化したとはいえ前年比+2.9%と、依然として米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標である2%を上回っている。このためFRBは今週30-31日の連邦公開市場委員会(FOMC)でもタカ派姿勢を維持する(早期利下げに前向きな姿勢は示さない)との見方が優勢になりつつある。そうした中、ドル/円は本日も堅調地合いを維持すると見られ、147円台後半の下値は堅そうだ。もっとも、FOMC待ちで市場の動意は鈍る公算が大きく、148円台半ば以上の水準を買い上がる動きも限られそうだ。
注目の経済指標:
特になし
注目のイベント:ECB副総裁講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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