対話型AI (人工知能) のChatGPTをはじめとした「生成AI」をうまく活用できれば、生活の質、すなわちQOL (クオリティ・オブ・ライフ) を高めることができる。活用方法には無限の可能性があるが、まずは入門編として、代表的な生成AIの活用方法とコツを紹介していこう。

そもそも「生成AI」とは ?

話題の「生成AI」でQOLを高めよう ! 記述例など具体的な活用方法
(画像=Angelov / stock.adobe.com))

「生成AI」とは、大量に学習したデータを使って文章や画像、動画などを新たに生成するAIのことを指す。「ジェネレーティブAI」や「自動作成AI」などと呼ばれることもあるが、日本国内で一般的に使用される呼称が「生成AI」だ。この生成AIは、大きく4つに分類できる。

文章生成AI

文書生成AIは、人間がAIに質問をすると回答を作成して示してくる。ChatGPTは文章生成AIの代表格だ。

画像生成AI

画像生成AIは、特定の単語や文章でAIに指示をすることで、その内容に沿った画像を自動作成してくれるAIのことだ。

動画生成AI

動画生成AIは、画像生成AIと同様に、特定の単語や文章から動画を自動作成してくれる。長い動画を短くサマリー的にまとめてくれる生成AIも開発されつつある。

音声生成AI

音声生成AIは、特定の人物の声の声色や調子などを分析し、任意の文章をその人の声とそっくりに読み上げてくれるAIのことだ。

QOLの向上に役立てやすい生成AIは ?

前述の4つの生成AIの分類の中で、一般の人が最もQOLの向上に気軽に役立てやすいのは、文章生成AIだろう。疑問に思っていることや悩んでいることなどを気軽にAIに質問し、適切な回答が返ってくれば、自分だけの「お抱え教師」を獲得できたようなものだ。

ただし、文章生成AIを最大限活用するためには、多少のコツがいる。何も考えずに質問を投げかけても回答は返ってくるが、自分にぴったりの回答を得るためには、AIとの会話の中でいくつかの「指定」を行うことがポイントとなる。

また、一度で思うような回答が返ってこない場合は、会話を続けながらAIからさまざまな知識を引き出していくという対応も必要だ。次項で具体的に説明していこう。

文章生成AIの具体的な活用方法

文章生成AIをうまく使いこなすためには、次の3つのポイントを知っておくとよい。

  • 回答者の立場を指定する
  • 条件を詳しく指定する
  • 対話のやり取りを続ける

ここからは、文章生成AIに「おすすめの資産運用の本」を質問するケースでの記述例を紹介する。この記述方法はプロンプトと呼ばれ、「指示」や「質問」という意味で、生成AIを使う際にはよく出てくるワードなので、覚えておいてほしい。

回答者の立場を指定する

まず回答者であるAIに、どんな立場で回答してほしいかを指定することから始めよう。

【プロンプト例】
・あなたはとても優秀なファイナンシャルプランナーです
・あなたは私の資産運用の先生です

このようなプロンプトを投げかけると、AIが指定された立場で回答を生成し、「資産運用に関する質問やアドバイスがあれば、どんなトピックスでもお気軽に質問してください」などと回答する。

なお、回答者の立場設定は以下のようなプロンプトでも行うことができる。

【プロンプト設定】
あなたは以下の大和太郎さんです。

## 大和太郎のプロフィール
名前:大和太郎
性別:男性
年齢:50歳
職業:優秀なファイナンシャルプランナー

条件を詳しく指定する

続いて、欲しい書籍情報の条件を詳しくプロンプトに書き込み、AIに質問を投げかけてみよう。

【プロンプト例】
・初心者がリスクを抑えて資産運用をするのに役立つ書籍を3冊教えてください
・ポートフォリオの作り方で参考になる書籍を4冊教えてください

このように質問をすると、お願いした冊数分、AIが推奨する書籍名と著者、内容のサマリーを箇条書きで教えてくれる。

対話のやり取りを続ける

ここまでプロンプトの例をいくつか挙げたが、場合によってはすぐに質問者が満足いくような回答をしてくれないこともある。その際は、続けて何度も質問を重ねていくようにしよう。例えば以下のようなプロンプトが考えられる。

【プロンプト例】
・他にもオススメの本はありませんか ?
・どれも読んだことがある本で、役に立ちませんでした。他にあれば教えてください。

ChatGPTなどの生成AIが苦手なことは ?

文章生成AIを利用すると、驚くほど的確な回答を得ることができ、びっくりする人が多い。ただし、ChatGPTなどの生成AIには苦手なこともある。それは「未来予測」だ。

生成AIは基本的に、すでに学習した膨大な過去のデータ (※2023年10月時点では2022年1月までのデータが対象) やウェブ上で掲載されている情報を分析しながら回答を作成する仕組みだ。そのため「将来的に価格が10倍になる株式は ? 」「ドル円レートは1年後どうなっている ? 」といった質問をしても、質問者が求める回答は得られない。

あなた流の活用法も考えてみよう

文章生成AIの活用方法はアイデア次第で無限にある。自分の人生がもっとよいものになるように、あなた流の活用方法もぜひ考えてみてほしい。こうした生成AIは使い慣れるほど便利なものになっていくため、まずはプロンプトを打ち込んでみることから始めてみよう。

(提供:大和ネクスト銀行


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