この記事は2024年2月29日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=ELUTAS/stock.adobe.com)

2024年2月29日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は、今月13日(火)に付けた今年の高値150.88円前後を目前に伸び悩んでいる。151円付近ではオプション絡みの防戦売りが出やすいとの観測も相まって、この水準が上値抵抗として意識されているようだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

市場の関心は、本日29日(木)NY市場の日本時間22時30分に発表される米1月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)に向けられており、それまでは「上値は重いが下値も堅い150円台縛り」の展開が続きそうだ。

なお、米1月PCEデフレーターの市場予想は前年比+2.4%で、前月の+2.6%から鈍化すると見られている。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前年比+2.8%(前月+2.9%)に鈍化すると予想されている。市場予想以上に鈍化するようならドル売りが強まると見られる一方、消費者物価指数(CPI)に続いてPCEデフレーターも予想外に高止まりするようだとドル買いに傾く公算が大きい。

ただし、米利下げ開始時期を巡る市場の織り込みがすでに4カ月も先の6月FOMCまで後退していることや、これ以上円安が進めば本邦当局による円買い介入への警戒感が高まりやすいことを踏まえると米ドル/円としては、PCEデフレータの下振れにより反応しやすい(上昇余地よりも下落余地の方が大きい)と考えられる。

いずれにしても、米ドル/円は昨日28日(水)まで1週間にわたり150円台縛りの展開が続いている。それだけに動意のマグマが地下に溜まっている可能性が高いことから、PCEデフレーターが急変動のきっかけとなり得る点には留意したい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。