この記事は2024年1月26日に「第一生命経済研究所」で公開された「都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2024/01)」を一部編集し、転載したものです。


インフレ
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目次

  1. 1月の都区部・基調的インフレ指標は下げ止まり

1月の都区部・基調的インフレ指標は下げ止まり

以前のレポート(末尾の参考文献参照)で試算した東京都区部版の基調的インフレ率3指標について、本日公表の1月都区部CPIを用いて計算した。刈込平均値(全国ウェイト換算)は23年12月:+2.5%→24年1月:+2.5%、加重中央値(全国ウェイト換算)は12月:+0.9%→1月:+1.0%、最頻値は12月:2.3%→1月:+2.5%となった(いずれも前年比)。1月の伸び率は全般的に下げ止まる形となっている。

コアCPI(生鮮食品除く)は前年比+1.6%と市場予想(+1.9%)を大きく下回り、物価上昇圧力の弱まりをうかがわせる結果となった。一方で、品目別分布の動向に着目した試算値の伸び率は下げ止まる形に。変動の大きい品目(宿泊料など)の影響が薄まる当試算値では、インフレ鈍化圧力の明確な強まりはみられていない。ヘッドラインの弱さは目立つが、今回結果が日銀の金融政策正常化に対する姿勢を後退させるかは微妙なところである。

第一生命経済研究所
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第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト 星野 卓也