この記事は2024年6月12日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

FXトレード戦略
(画像=k_yu/stock.adobe.com)

2024年6月12日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

仏独与党が欧州議会選挙で敗北を喫し、極右政党が躍進したことでEUの政治リスクが台頭している。特にフランスではマクロン大統領が下院を解散したほか、昨日11日(火)は「マクロン大統領辞任を議論」とのヘッドラインが流れるなどユーロは下落。

欧州の選挙関連でボラティリティが発生するなか、本日12日(水)は米CPI、明日13日(木)日本時間未明にはFOMC、明後日14日(金)は日銀政策金利決定会合と、ビックイベントを控えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

まず、米CPIだが、前年比+3.4%が予想されており、欧州を中心に各国が2%台に入っていることを考えると米国のインフレが粘着質であることがわかる。トレード自体は指標結果次第で出たとこ勝負になるが、今回はCPIの6時間後にFOMCが控えているので大きくは動きにくいかもしれない。

そのFOMCの注目ポイントは3カ月に一度公表されるドットチャートだろう。今回は前回公表された年内3回の利下げ予想がどこまで修正されるかだが、直近のFEDメンバー発言が「タカ」であることを考慮すると年内1回の可能性も視野に入れておきたい。

そして明後日14日(金)にトリを務める日銀は、今会合で利上げはないと思われるが、国債買い入れ減額の方針が示される可能性は高い。また、次回7月の会合で利上げを織り込みに行けるかが焦点だ。

仮に、国債買い入れの減額も具体策がなく、利上げも今後のデータ次第など方向性が見えてこないと、またしても円安イベントとされてしまうかもしれない。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。