FOMCはドットチャートに注目!利下げ予想回数でドル円の行方が変わる?日銀は引き締めに動いても影響は限定的か【外為マーケットビュー】

動画配信期間:2024/6/12~2024/6/26

目次

00:00 今回のダイジェスト
00:44 相場振り返り
01:32 各国通貨の動向-資源価格の影響
03:38 日本・円の動向
09:00 米国・ドルの動向
11:27 欧州・ユーロの動向
14:43 英国・ポンドの動向
15:36 オセアニア通貨の動向
18:22 南ア・メキシコの動向
19:38 メキシコ・ペソの動向
24:40 南アフリカ・ランドの動向
28:50 まとめ
29:14 【PR】口座開設特別キャンペーン

動画の要約・まとめ

今週の為替市場は、FOMCと日銀の政策決定会合に注目が集まります。また、バイデン大統領の息子の有罪判決など、大きなニュースも飛び込んできました。

現在、ドルとポンドが特に強く、その他の通貨もおおむね堅調です。資源国通貨が強いのは、ウクライナ情勢を背景とした資源価格の上昇が主因と見られます。

日本は貿易赤字の拡大で苦しい状況が続いています。日銀は当面、利上げに踏み切れそうにありません。一方、財務省は円安阻止に必死ですが、景気への影響を考えると、強硬策に出にくいのが実情です。

米国経済は力強さを維持しています。根強いインフレ懸念から、金利低下ペースは緩やかにとどまりそうです。家計の金融資産は潤沢で、引き続き消費を下支えするでしょう。

欧州では、フランスの政情不安から通貨安となる場面もありました。ただ、域内経済の安定を支えるユーロの存在意義は揺るぎません。むしろ南欧諸国では、通貨統合のメリットを生かした景気回復の兆しが見られます。

イギリスでは、資源国通貨としてのポンド買いが優勢です。欧州より高めのインフレ率と賃上げが、金融引き締めの障害となっています。今後は政局の行方にも注意が必要です。

オーストラリアとニュージーランドは、資源高を追い風に通貨が上昇しました。もっとも、景気減速リスクは小さくありません。財政規律の堅持が、海外からの信認を得る上で重要となるでしょう。

新興国の中では、メキシコと南アフリカの動向が注目されました。メキシコでは、大統領選での与党圧勝を受けた市場の警戒感から通貨安が進行。南アフリカでは逆に、野党との協調への期待から通貨高となりました。両国に共通なのは、中長期的な構造改革の必要性です。

世界経済は不透明感が色濃い中、為替市場は目まぐるしく変動しています。月末にかけては、半期末の需要から、ドル買い圧力が高まる可能性があります。各国・地域の政治・経済情勢を丁寧に見極めながら、為替相場の行方を占うことが肝要と言えそうです。

野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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