この記事は2024年6月19日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2024年6月19日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日18日(火)のNY市場の注目はなんといってもNVIDIA。NVIDIAの株価は続伸し、ついに時価総額でMicrosoftを抜いて世界最大の企業となった。生成AI向け半導体への強い需要を追い風に、NVIDIA株は今年に入ってなんと170%超上昇。
ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブズ氏は「今後1年間、テクノロジー分野の時価総額4兆ドルへの競争はNVIDIA、Apple、Microsoftの3社で繰り広げられるだろう」とコメントしている。
45TOPSの処理能力を持つ「copilot+PC」で盛り上がったMicrosoft、AI(=Apple Intelligence)導入を発表したApple、そしてそうした事を可能にするNVIDIA。前述のアナリストが言ってるように、当面この3社の争いが熾烈になりそうだ。
しかし改めて「4兆円」ではなく、「4兆ドル」の攻防というのも金額が凄まじい。米国株はS&P500が過去最高値を再び更新し、5,500ドルに接近中。米国株上昇に伴ってクロス円は総じて上昇。その中で、スイスフラン/円の堅調が目立ち、昨日18日(火)は178.74円と徐々に180円に迫っている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
スイスフランは対ユーロでも上昇し、ユーロ/スイスフランは0.9500フランを割り込んでいる。スイスフランが続伸している背景は、フランス国債の続落。
フランス国債のリスクプレミアムは金融危機に向かうことを示唆する「危険な」水準に達しようとしていると、カンドリアムのCIOが警告した。フランス国債のドイツ国債に対するプレミアムは2017年以降で最大となっている。またフランス株は今や欧州で最も人気の低い投資先になったことがBofAの調査で明らかになった。
(出所:ブルームバーグ)
フランス国債は引き続き不安定なまま。ユーロ/スイスフランは0.9500フランを割り込んでおり、ユーロは重いのだが、円などの他通貨と比較するとユーロはそれほど弱いわけでもない。結果、フランス情勢の不安定な環境はユーロ売りを誘引するというより、唯一の避難通貨であるスイスフランの上昇を引き起こしていると言える。
米ドル/円もいつのまにか158円近くに戻されていることから、スイスフラン/円も180円に向け、続伸中。戦略的にはユーロ/スイスフランのショートとスイスフラン/円のロングスタンスで変わらず。
▽ユーロ/スイスフラン 日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。