この記事は2024年12月3日に「CAR and DRIVER」で公開された「【最新モデル・ミニ試乗】目指したのは爽快な走り! RSは自在に操れるスポーツシビックの再来だ!」を一部編集し、転載したものです。
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クルマと対話する楽しさを実感。手の内感が心地いい
MT好きにとって魅力的なホンダ車が誕生した。「操るほどに爽快」をテーマにしたシビックRSである。
RSは1.5リッターターボを搭載した純エンジン車をベースに、各部に入念なファインチューニングを施したスペシャルな6速MT専用モデル。2024年9月の発売から1ヶ月で、シビック・シリーズ全体の約70%を占める2000台の受注を獲得した人気モデルだ。ハイブリッドのe:HEVの購入層が50代中心なのに対し、RSは20代のユーザー層から高い支持を集めているのも特徴である。
RSの意味は「レーシングスポーツ」ではなく「ロードセーリング」。1974年の初代シビックに設定された由緒あるスポーティグレードに由来する。
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筆者は、エンジンを味わう趣味車として、2010年モデルのシビック・タイプRユーロを所有している。それだけにRSへの興味は大きい。期待に胸を膨らませながら試乗会場に向かった。
対面したRSは、さりげなくスポーティ。各部のブラック処理が凛々しい。現行タイプRと比較して全体的に大人っぽいイメージでまとめている。
室内に乗り込む。ドライビングポジションは自然と決まる。エンジンスペックは182ps/240Nm。数値はベース車と共通なものの軽量フライホイールを組み込み、シャープなレスポンスを実現したのがポイントだ。そしてレブマッチシステムの搭載で6速MTの操作性を高めた。
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スポーツモードを選んでスタート。パワーはなかなか力強く、加速は良好。適度な硬さのサスペンションも心地いい。まさに思いのままに走れる。
ホンダはドライバーの心をつかむツボを熟知していると、顔がほころんだ。
ちょっぴり残念だったのはレブリミットの設定が6500rpmだったこと。筆者のタイプRユーロは6000rpmプラスでVTECが高速側に切り替わり、8000rpmまできっちり回る。RSも、もうちょっと高回転域まで回り、エンジンと対話できれば最高である。
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(提供:CAR and DRIVER)