動画配信期間:公開日から2週間
動画の内容をギュッと要約
## 主な内容
1. トランプ大統領が関税政策を発表し、カナダ、メキシコ、中国などに関税をかけると発表した。これにより市場が混乱した。
2. カナダなどが報復関税を検討し始め、これに対してトランプ大統領がさらなる報復関税をかけると言及し、「報復関税ループ」の懸念が広がった。
3. トランプ大統領が円安を懸念する発言をし、それによって円高が進行。日本株など世界中の株式市場が下落した。
4. ラトニック総務長官が関税を緩和するかもしれないと発言し、市場は一部戻した。これがドル円相場にも影響した。
5. 3月5日が満期日(後日)ということもあり買い戻しが発生している。
## 経済状況と背景
- 過去4年間は日本の膨大な貿易赤字によって円安が進行していた
- 昨年は日銀による為替介入があったものの、最終的には158円台まで円安が進んだ
- 2月入って貿易収支が黒字に転じ始め、外貨準備の伸びも縮小してきている
- アメリカのGDP予測はマイナス2.8%となっており、景気減速の兆候が明確になっている
- ISM製造業指数なども悪化しており、アメリカ経済の弱さが目立っている
- ユーロとポンドが強くなってきており、ドイツのDAXなど欧州株式市場は好調
- 高金利通貨(メキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラなど)が全般的に弱くなっているのは、円高の影響が大きい
## トランプ政権の経済政策
1. 為替政策:ドル安を志向
2. 関税政策:輸入品に高関税をかける
3. 対外援助の削減:海外への援助を縮小
これらの政策は共和党の伝統的な政策路線であり、ニクソン政権やレーガン政権でも類似の政策が実施された。しかし歴史的に見ると、為替操作で貿易不均衡が改善した例はほとんどない。プラザ合意の時も円は大幅に円高になったが、日本の貿易黒字は解消されなかった。
ユーロ
最近、円に次いで強い通貨となっており、「欧州が復権している」と表現されている
経済指標自体には特に力強さはないものの、トランプ大統領の発言や政策による混乱から、欧州へ資金が流入している可能性がある
EUに対してもトランプ大統領は「EUはアメリカへの牽制のために作られたのではないか」などと批判しているが、それによってユーロが特に弱くなっているわけではない
ユーロの上昇は「ドルが下がったからユーロが上がっている」という側面が強く、ユーロ自体への信頼感が特に高まっているわけではないとの見解だ
ポンド
ユーロと同様に強くなってきている通貨の一つとして挙げられている
ラムズデン中銀総裁が「インフレ率が賃金目標を上回る懸念が高まっている」と発言し、これが金利上昇圧力となっている可能性がある
欧州全体として、メキシコ・カナダ・中国ほどアメリカとの関税衝突がないことも、買われている理由の一つだ
1月のGDP発表(3月14日予定)が次の注目ポイントである
豪ドル・NZドル
年初は強かったものの、最近は弱くなってきている
弱くなった主な理由として、トランプ政権の対中関税政策が挙げられている。中国が攻撃されると中国経済が悪化し、それが豪ドル・NZドルに悪影響を及ぼす懸念がある
豪州については、RBA(豪州準備銀行)が4年ぶりに利下げを実施したことも弱材料として言及されている
1月の消費者物価が低下していることや、鉱工業生産が減少していることから、今後も利下げが続く可能性がある
ニュージーランドについては、経済がリセッション(景気後退)中で、「相当苦しい」状況と表現されている
ニュージーランド政府は投資ビザの規制緩和や不動産投資の規制緩和など、対策を講じている
ニュージーランドの国民がオーストラリアへ移住している事例も増えているとの報道が言及されている
## 注目ポイント
- 日銀の植田総裁と内田副総裁の講演が予定されている(インフレ対応と利上げについて言及するかが焦点)
- 中国の全人代が始まり、経済政策、特にAI関連の政策が注目される
- 金曜日に2月中旬までの貿易統計が発表される予定
- ラトニック総務長官の関税緩和発言に対するトランプ大統領の反応が注目される
## 結論
円高株安になると日本の資産は減少し、税収減や増税、賃下げにつながる可能性がある。「物価が下がる前に給料も下がる」という「失われた20年」の再来が懸念される。貿易赤字が円高を阻止する要因となっていたが、最近は貿易黒字に転じつつあり、円高の圧力が強まっている。
為替操作よりも貿易収支の方が通貨価値に大きな影響を与えるため、アメリカの政策がどう変わっても、基本的には「円安は貿易赤字、円高は貿易黒字」という原則が働く。トランプ政権の発言で一時的に市場は揺れ動くが、長期的には貿易収支が為替レートの主要な決定要因となるだろう。
ただし短期的には、トランプ政権の政策や発言、日銀幹部の講演内容、中国全人代の政策方針などを注視する必要がある。特に関税政策をめぐる動向は市場を大きく左右する可能性が高い。

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