この記事は2025年3月11日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
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2025年3月11日(火)の午後12時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

本日11日(火)の米ドル/円は147円が割れて、146.54円付近の安値をつけているが、上値は非常に重い状態だ。背景は米国の景気の鈍化が鮮明になってきていることと、雇用状況の悪化。失業率も0.1%上昇している。米国では、正規雇用の仕事に就けないためパートタイムで仕事を2カ所、3カ所で掛け持ちをしている人の数が急増しており、景気の鈍化が進んでいるのが現状。

日本の利上げに関しては米国からの圧力でおそらく、夏までに1回、秋、冬に各1回上がり1.00%になるだろう。米国の年内の利下げ予想も、以前は2回だったのが現在は3回との見方が強まってきている。

現在のドル安・円高の流れはトランプ米大統領の日本と中国に対する通貨安牽制発言が大きかったのだろう。これによってヘッジファンドの戦略が円売りから円買いに変わったのではないかと思っている。だからこそ、IMMを見ても強烈に円買いのポジションが増えている。先週が7万枚だったのに対し、今週は13万3000枚まで増加しており、過去最大を更新中。

また武藤経産相が米国に出向き、米関税措置の日本除外を申し入れたが前向きな回答は得られなかった。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、145.50~149.25円。仮に145円割れとなった場合は急落の可能性が出てくる。

いずれにせよ現在はダウントレンドしか考えられない状況のため、戦略は戻り売りのみ。具体的には、148円ミドルから149円前半辺りで、売りから入りたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。