この記事は2025年3月19日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
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2025年3月19日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

米露首脳の電話会談が行われた。

ロシアのプーチン大統領は、米国が求めていた広範な30日間の停戦には同意しなかった。ただトランプ米大統領に対し、ウクライナのエネルギー資産に対するロシアの攻撃を制限することを確約。

結果として停戦できなかったことで、この電話会談は意味がないという意見が多数だが、話し合いが始まったという点においては、ポジティブに捉えていいのではと考えている。停戦できなかったという点において、リスクアセットに関してはネガティブだが、ドイツからは好材料が出ている。

ドイツ連邦議会(下院)は、財政改革パッケージを賛成多数で可決した。これでドイツの財政政策は、数十年にわたる緊縮路線から、財政拡大政策へとかじを切ったことになる。

詳細は下記の通り。

1.防衛・安全保障関連の支出としてGDPの1%、つまり約450億ユーロ(約7兆4000億円)を超える額が、ドイツ憲法に盛り込まれた借り入れ制限、いわゆる「債務ブレーキ」から除外される
2.実質的にGDPの1%を超える支出に上限がなくなり、ロシアへの抑止力として再軍備するための無制限の資金供給につながる可能性がある
3.予算外の特別なインフラ基金が憲法に組み込まれ、今後12年間に5000億ユーロを上限として借り入れを行うことが可能になる

この報道は、事前にある程度織り込まれていたためユーロが続伸していたわけだが、個人的に懸念していた利益確定売りがでるわけでもなく、ユーロ/米ドル、ユーロクロスは総じて堅調に。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週は中銀ウィーク。

日銀、FOMC、そしてSNBと続くが、ドイツが財政拡大政策へかじを切った事でゲームチェンジしたユーロ/米ドルや、ユーロ/円を筆頭にユーロクロスの押し目買いスタンス継続で臨みたい。

▽ユーロ/米ドルの 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。