南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「米国の圧力あるもランドと株は米国に優る」南アランド見通し

「通貨3位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド円7.9-8.4」


(ポイント)
*米国からの攻撃続くもランドは年間3位へ浮上。株価もまずまず
*政策金利は据え置き
*2月の消費者物価は3.2%上昇
*1月小売売上は前年比7%増
*停電が心配、インフラ整備も課題
*OECD成長・物価見通しは
*今週は1Q消費者信頼感指数
*米の援助打ち切りの米に代わり中国、EUが支援約束
*ペルソナ・ノン・グラータ、米国が中米南ア大使に宣言
*予算案発表、これから議論が始まる。DAはどう出るか
*4Q・GDPは予想下回るも前期より改善
*南アは「投資適格」を目指す
*今年秋にAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直しあり


(米国からの攻撃続くもランドは年間3位へ浮上。株価もまずまず)
 米国から政治経済への圧力を受けながら、対円では年初来1.68%安と健闘。全体の3位。対ドルでは3.4%高と強い。
 南ア全株指数は年初来6.45%高とマイナス圏に沈む日米株市場より強い。10年国債利回りは10.57%。


(政策金利据え置き) 
 南ア中銀は、予想通り政策金利を7.5%に据え置いた。前回まで3回連続で利下げを決定していた。 インフレは抑制されているものの、米政権の関税措置や、南アの予算を巡るこう着状況などに起因するリスクを見極める必要があるとして、利下げを停止。4人の政策委員が据え置きを支持し、2人は0.25%の引き下げを主張した。
クガニャゴ総裁は「世界経済は安定していない。国内にも不透明感があり、慎重なアプローチが必要だ」と述べた。
審議中の予算案には付加価値税(VAT)の税率引き上げ案が含まれ、インフレの上振れリスクになるとみられる。
中銀は25年の経済成長率見通しを1.7%と、従来の1.8%から引き下げた。


(2月消費者物価、小売売上高は)
2月の消費者物価は前年同月比で3.2%上昇と、伸び率は1月から変わらず、中銀の目標3-6%の下限付近で推移している。コアは3.4%上昇、1月は3.5%上昇。
 1月小売売上は前年比7%増と前月の3.2%増を大きく上回った。最も大きく貢献したのは、繊維、衣料、履物、皮革製品の小売業であった。


(OECD成長・物価見通し)
 OECDは今年の成長見通しを1.6%、前回より0.1%上方修正。インフレは4.0%、これも前回より0.1%上方修正。


(今週は)
今週は1Q消費者信頼感指数や2月卸売物価の発表がある。


(フォードの警告)
フォードは、南アの厳しい事業環境について懸念を表明した最初の自動車メーカーであり、この状況は自動車製造の投資先としての同国の地位を危うくする可能性がある。
 フォード・アフリカ社長のヒル氏は、南アのインフラの非効率性、特に輸送と物流の非効率性が地元の自動車メーカーとその競争力維持能力に多大な影響を与えていることに懸念を表明した。国内の交通インフラの課題を指摘し、トランスネットの非効率性が自動車メーカーにとって大きな障害となっていると述べた。
鉄道サービスの信頼性が低いために道路輸送への依存度が高まった結果、コストが上昇し、生産が遅れ、南ア製の自動車の国際競争力が低下している。
「停電は頻度は減ったものの、その代わりに物流のボトルネックという別の大きな懸念が生じている。」
フォードは南アフリカで自動車を生産している7社のOEMのうちの1社であり、南アのGDPの約5%を占めている。他にはBMW、メルセデス・ベンツ、日産、いすゞ、トヨタ、フォルクスワーゲンが含まれ、ステランティスとマヒンドラは現地工場の設立を計画している。