この記事は2025年9月24日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年9月24日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
マーケットの話題は再びNVIDIA。
NVIDIAがOpenAIに15兆円の出資を決定したとの報道がある。
米NVIDIAは一昨日22日(月)、米オープンAIに最大1000億ドル(約15兆円)を投資すると発表した。投資の詳細は非公表だが、段階的に出資する。オープンAIはこの資金を活用し、10ギガ(ギガは10億)ワット規模の巨大な人工知能(AI)開発向けのデータセンターを構築する。AI開発の投資競争に拍車がかかる。
(出所:日経新聞)
NVIDIAからの出資金で、NVIDIAの半導体を購入するというスキームのよう。生成AI関連はバブルという指摘もあるが躍進はまだ続きそうだ。
スイス中銀であるSNBは、米テックに巨額に投資していると報じられていた。
スイスの保守的な中央銀行が、静かに世界有数のテック投資家へと変貌している。その株式保有額は、スイスの国内総生産(GDP)の約5分の1に相当する規模にまで膨れ上がっている。6月に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、スイス国立銀行(SNB)は1670億ドル(約24兆5000億円)に上る米国株を保有しており、投資先は2300銘柄以上に分散している。アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディアの5社だけで420億ドル以上投資しており、米テック大手の主要投資家となっている。アップル株の保有額だけでも100億ドル近く、エヌビディア株は110億ドルを超える。
(出所:フィナンシャル・タイムズ)
SNBは抜け目なくこうした成長産業に投資しているようだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
パウエルFRB議長は「短期的なインフレへのリスクは上方向、雇用へのリスクは下方向に傾いており、難しい局面だ」と発言。追加利下げを検討するうえで、困難な道のりになる可能性が高いとの認識を示した。金利見通しへの具体的な言及もなし。
トランプ米大統領は、領空侵犯の機体があればNATO加盟国は撃墜すべきだとコメント。
NATOはエストニアの要請で開催した会合後に声明を発表し、ロシアの領空侵犯に対して「強力な」対応を取るとし、防衛のため軍事を含むあらゆる手段を行使すると表明している。
ロシアによる領空侵犯もあり、スイスフランは底堅く推移。
掲示板に添付したのは、今月の主要通貨の対米ドルでの騰落率。
<主要通貨の対ドルの騰落率>(出所:ブルームバーグ)

主要通貨の中ではスイスフランが対米ドルで最も上昇。一方、円はドルに対して反落している。
米ドル/円は引き続き、145~150円(±1円程度)のレンジを想定。ドル売り材料は相変わらず多いものの、米ドル/円は本邦事業法人のドル買いが待っていることもあり、下がりにくい展開が続いている。
米ドル/円マーケットでは、現状からは距離があるが、仮に152.00円を明確に上抜けるようであれば、152.00円のドル・コールのショートが相応に積み上がっているようなので、上昇が加速する可能性もあり要注意。
結果、スイスフラン/円は186.50円近辺まで上昇しており、再び史上最高値である187.11円ブレイクを目指す展開。
戦略としては、スイスフラン/円のロングは継続スタンス。
▽スイスフラン/円 日足チャート

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。