
総括
FX「レバ1倍6.22%。上限レバ25倍で155.5%の利益、2025年リラ円キャリー実績」トルコリラ見通し
(通貨最下位、株価10位)
予想レンジ トルコリラ/円3.4-3.9
*今年のリラのパフォーマンスは?
*株価が急落 長期金利は高止まり
*リラ相場は巧みな介入で小幅安に留める
*中銀、インフレ懸念で利下げペース鈍化を示唆
*野党の弾圧が続く
*エルドアン大統領の強権的経済政策は憲法から逸脱か
*経済指標は悪くはない、経常黒字が過去最大
*野党弾圧 アンカラ市長にも
*9月消費者物価、予想外に上昇
*トルコに膨大なレアアースの埋蔵があるとされている
*今年は金利差が為替差損をかろうじて上回っている
*OECD、EBRD、IMFがトルコの成長見通しを上方修正
*リラ安の大きな要因は膨大な外貨預金
*格付け引き上げ、ムーディーズ
(レバ1倍6.22%。レバ2倍なら12.44%、上限のレバ25倍なら155.5%の利益、2025年リラ円キャリー)
10月のリラ円はここまで0.84%上昇、年初来では18.78%安。年間スワップ金利が約30%。1-10月では約25%。運用・調達の孫利は無視して、10月まででリラ円キャリートレードは約6.22%の利益となる(レバ1倍)。レバ2倍なら12.44%、上限のレバ25倍なら155.5%の利益となっている。(ただハイレバは日中の乱高下で大きな損失を被ることもあるので注意したい)、
円キャリートレードで利益が出るのは中銀がリラの急騰は狙っていないが、介入の売買を巧に活用して小幅なリラ相場の下落に留めていることにある。
(株価が急落)
トルコ株価指数(イスタンブール100)は今年一時15%高となったが、現在は6.65%高。先週末は3.85%高であった。エルドアン政権の野党弾圧によるものだ。
3月は次期大統領選挙で一番支持率が高いイマモール・イスタンブール市長を逮捕、9月には2023年の最大野党の党首選を無効にし、10月は野党二番人気のヤヴァシュ・アンカラ市長にも汚職の罪で訴追しようとしている。政敵を次々に攻撃している。
(長期金利も30%超で高止まり)
インフレ低下で一時は30%割れとなっていた10年国債利回りは31-32%で推移している。インフレ上昇と政局不安である。
(中銀、インフレ懸念で利下げペース鈍化を示唆)
ワシントンでのIMF・世銀総会の関連でカラハン中銀総裁が国際債券保有者に「インフレ懸念で利下げペース鈍化」を示唆した。
参加者によると、トルコ中銀関係者はは木曜の金利決定を前に市場の期待を注意深く監視する意向を強調し、「粘着性」インフレと表現した事態への懸念を指摘した。
トルコのインフレ率は9月に33.3%に上昇し、予想を上回り、2024年5月にインフレ率が75.4%でピークに達して以来初の年間上昇となった。
ロイターがエコノミスト17人を対象に行った調査では、今回の決定に対する予想が大きく異なっていることが明らかになった。金利据え置きから2.5%利下げ迄多種だ。