主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼5日(水)の為替相場
(1):日経平均大幅下落
(2):中国サービス業PMIは低下
(3):三村財務官 円安けん制
(4):英サービス業PMI 上方修正
(5):ADP全国雇用者数 予想を上回る
(6):米ISM非製造業 8カ月ぶり高水準
▼5日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:155円台を窺う展開となる可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(水)の為替相場
期間:5日(水)午前7時10分~6日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日経平均大幅下落
前日の米国株式市場でAI関連株が大きく売られた流れを引き継ぎ、日経平均株価は安く寄り付いた。その後、下げ幅を一時2400円超まで拡大する場面も見られた。軟調な株式市場を背景に、クロス円を中心にリスク回避の円買いが強まった。
(2):中国サービス業PMIは低下
中国10月RatingDogサービス業PMIは52.6と市場予想(52.5)を上回ったものの、前月(52.9)から低下し3カ月ぶりの低水準となった。
(3):三村財務官 円安けん制
三村財務官は「最近の円の動き、ファンダメンタルズから外れる」「主な懸念は為替の過度なボラティリティであり、水準ではない」と語り、「このボラティリティの変動がファンダメンタルズに関連する要因で必ずしも説明できない場合、それはやや無秩序なあるいは過度な動きと言えるだろう」との見解を示した。
(4):英サービス業PMI 上方修正
英10月サービス業PMI・改定値は52.3と速報値(51.1)から上方修正。これを受けて10月総合PMIも速報値(51.1)から52.2に上方修正された。
(5):ADP全国雇用者数 予想を上回る
米10月ADP全国雇用者数は前月比4.2万人増となり、市場予想(3.0万人増)を上回った。前回9月分は3.2万人減から2.9万人減へ上方修正された。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のミラン理事は同結果を「歓迎すべきサプライズだ」と評した一方で、「景気循環の観点からみると、労働需要も我々が望むほど強くない可能性が引き続き示唆されている」として、金利引き下げの必要があるとの考えを改めて示した。
(6):米ISM非製造業 8カ月ぶり高水準
米10月ISM非製造業景況指数は52.4と市場予想(50.8)および前月(50.0)を上回り、8カ月ぶりの高水準となった。構成指数では、新規受注が56.2と予想や前月(51.0、50.4)を大きく上回り1年振りの水準を記録した。仕入れ価格も70.0と3年ぶりの水準に上昇した(予想68.0、前月69.4)。米国のサービス業が関税の影響をより強く受けていることを示唆した。