主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月7日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼6日(木)の為替相場
(1):日本実質賃金9カ月連続でマイナス
(2):米人員削減数 大幅に増加
(3):ユーロ圏小売売上高はマイナス
(4):BOE政策金利を据え置く
(5):FRB高官 利下げに慎重な姿勢示す
▼6日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:下値は限定的となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(木)の為替相場
期間:6日(木)午前7時10分~7日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本実質賃金9カ月連続でマイナス
日本9月毎月勤労統計で現金給与総額は前年比+1.9%と予想通りに前月(+1.3%)から伸びが拡大した。ただ、物価上昇の影響を除いた実質賃金は前年比-1.4%と9カ月連続でマイナスとなった。
(2):米人員削減数 大幅に増加
発表予定時刻(日本時間21時30分)より大幅に前倒しで発表された米10月チャレンジャー人員削減数は15.3万人と前月(5.4万人)から増加。前年比では+175.3%の大幅増となった。
(3):ユーロ圏小売売上高はマイナス
ユーロ圏9月小売売上高は前月比-0.1%と市場予想(+0.2%)に反して減少。8月の売上高が+0.1%から-0.1%に下方修正されたことで2カ月連続のマイナスとなった。
(4):BOE政策金利を据え置く
英中銀(BOE)は大方の予想通りに政策金利を4.00%に据え置いた。同時に発表した議事録で据え置きの決定が5対4の僅差で、4人が3.75%への利下げを主張していたことが明らかになった。前回の9月会合で利下げを主張したのは2人だった。また、今後の利下げについて「慎重なアプローチを取る」としていたフォワードガイダンスを「金利は今後も緩やかな低下を続ける可能性が高い」に変更。次回12月の金融政策委員会(MPC)における利下げの地ならしを行った。ベイリー総裁はその後の会見で「再び利下げを行う前に、インフレ率が目標の2%に戻る軌道にあることを確認する必要がある」としながらも、インフレリスクについては「最近は低下し、より均衡した状態になっている」との認識を示すなど警戒感を後退させた。
(5):FRB高官 利下げに慎重な姿勢示す
シカゴ連銀のグールズビー総裁は「インフレデータがない中での利下げに不安を感じる」「霧がかかっているときは少し慎重にゆっくり進もうという考えに傾いている」として利下げ継続に慎重な考えを示した。その後、クリーブランド連銀のハマック総裁は「高いインフレを引き続き懸念しており、政策はこれに対応する方向で運営されるべきだ」と発言。高インフレが労働市場市場の弱さよりも大きなリスクであるとの認識を示した。