本記事は、矢野 香氏の著書『偉ぶらないけど舐められないリーダーの話し方』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
「偉ぶらないけど、舐められないリーダー」は、フィードバックがうまい
偉ぶらない。けれども、舐められない。
この絶妙な立ち位置をつくるために、リーダーが最優先で身につけるべきスキルがあります。
それが、「フィードバック」です。
「新しいリーダーのための話し方」は、対話型リーダーシップを土台にした、フィードバックの技術です。
うまく話そうとする必要はありません。
言葉を飾る必要も、気の利いたフレーズを探す必要もない。
フィードバックさえ、できればいい。
それが、一貫した立場です。
ここで言うフィードバックとは、相手を評価することではありません。
相手との信頼関係を築き、互いの役割を明確にするための言葉です。
人は、自分の立ち位置や役割が見えない状態では、どれほど丁寧に伝えられても動くことができません。だからこそ、フィードバックで、チーム内の主従関係を明確にする必要があります。
微妙な力関係を、話し方によってコントロールすること。
それが、これからの新しいリーダーに求められる話す力です。
コミュニケーションをハンドリングする
フィードバックができるリーダーは、威圧しなくても主導権を握っています。声を荒らげなくても指示が通り、相手が動きます。
一方、フィードバックができていないリーダーは、コミュニケーションの主導権を握ることができません。そのため、気づけば必要以上に偉そうに見えてしまうか、あるいは、舐められて軽く扱われてしまうか。そのどちらかに、傾いてしまいます。
多くの人は、後者をリーダーの「能力」や「性格」の問題だと考えがちです。
しかし、違います。原因は、正しいフィードバックができていないことにあります。
リーダーがチームメンバーとの関係性をコントロールし、適切な距離感と立場を保つことができるようになる。つまり、健全な主従関係をつくること。
その一番の近道が、フィードバックを身につけることなのです。
フィードバックの4つのスキル
難しそうに感じるかもしれません。安心してください。
心理学におけるフィードバックの正解は、「うまいか下手か」といったセンスの問題ではありません。問われるのは、ただ1つ。「正しい伝え方かどうか」だけです。
正しいか、正しくないか。基準がはっきりしているからこそ、フィードバックは、トレーニングによって確実に磨くことができます。再現可能なスキルなのです。
正しいフィードバックのやり方を次の4つのセリフのスキルに分解して整理します。
① ほめる・ねぎらう
② 共感する
③ 指示を出す
④ 行動を促す
この4つだけを学び、練習すれば、誰でも身につけることができる。
それが、おすすめする「正しいフィードバック」、つまり「新しいリーダーのための話し方」です。
では、なぜフィードバックがそこまで重要なのでしょうか。
理由は、極めてシンプル。チームメンバーが強く求めているからです。
日本能率協会が実施した「新入社員意識調査※」によると、新入社員が上司や人事に最も期待することの第1位は、「成長や力量に対する定期的なフィードバック」(22.0%)でした。
今の時代の若手がこれほど明確に「フィードバックがほしい」と言っているのです。リーダーが優先して磨くべきスキルは、自ずと明らかでしょう。
相手の満足度を効率よく高める方法は、相手の期待に応えることなのです。
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