本記事は、佐々木 正悟氏の著書『人生が変わる自分時間の使い方』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
毎日「1分ずつ」でも本当に終わる確定申告
「1分ずつ仕事に集中する」ような「小さな習慣」を活用した仕事術は、ここ数年でかなり流行ってきました。毎日ほんの少しだけやるだけでも、気合や根性に頼らず前へ進められるという発想です。
誰もが抱く「毎日1分では短すぎて何も進められない」という疑問に対する私から言いたいことは、
「短すぎる時間だからこそ効く場面は、確かにあります」
私は少なくとも「確定申告」を「毎日1分」で毎年終わらせてきました。面倒な経費精算のおかげで、確定申告に苦手意識を持つ個人事業主は少なくありません。私の場合、今年で個人事業主を始めて20年になりますが、今まで一度も「3月になっても終わらなかった」ことはありません。
もちろん、毎日きっちり「1分だけ」で終わっているわけではありません。現実には、波があります。2分の日もあれば10分の日もあります。それでも、基本の型は「毎日1分」を守ることです。
「毎日1分」が効く理由は、時間の合計よりも「遅れの発生を止める」点にあります。
毎日1分ずつでも、1年あれば365分になります。6時間以上です。
「なら年に1回、1日のうち6時間使って片付ければいいじゃないか」と思うかもしれません。けれども、それで確定申告を終えられないことは、多くの個人事業主が体験済みのことです。まとめてやろうとすると終わらなくなることはあります。
理由は単純で、まとめてやる日が来ないからです。来たとしても、その日が来るまでの間に資料が次々と増え、散らかり、記憶が薄れ、気持ちが重くなってしまいます。
結果として、まとめた6時間の前に心理的な壁もまとめて育ってしまいます。
一方、毎日1分ならハードルが低いまま終わります。その意味で、1日6時間まとめて仕事をするよりも、毎日1分ずつのほうが多くの仕事を完遂できるケースはあるのです。
確定申告は、その代表例です。確定申告がつらいのは、計算が難しいからだけではありません。資料を集め、探し、分類し、入力し、確認するという「散らかったものを整える作業」が多いからです。
この種の作業は、短時間で区切って毎日やったほうが摩擦が少なくなります。
たとえば、財布の中のレシートを取り出すのに1分もかかりません。その中で経費にできる支出に赤ペンで印をつけたとしてもまだ1分はかかりません。それを「当月のクリアフォルダ」に収めるところまで終えたとしても、やはり1分はかかりません。
大事なのは、完璧にやろうとしないことです。迷うレシートが出てきたら、それは保留して構いません。とにかく「処理の流れ」に自分を乗せることが目的だからです。
赤ペンで印をつけるのは、厳密な勘定科目の判断ではなく、「これは後で見返す価値がある」という印づけです。
このような作業を毎日繰り返すだけで、1年後には確定申告できるようになっています。
フォルダの中に月ごとの束ができ、少なくとも「何をどこに入れたか」が自分で分かる状態になります。分かる状態になっていれば、入力作業は単なる転記です。転記は少し手間でも、迷いはありません。迷いが減れば、先送りも減ります。先送りが減ると、期限前に悩むことがなくなるのです。
「1分間の集中」を軽視しないようにしましょう。1分は短い。ですが、「始める」という行為にとっては十分な長さです。そして確定申告のような作業にとっては、「始める」を毎日繰り返すだけで、ほとんどの作業は完了になります。
今日も1分だけ、財布からレシートを出して、赤ペンで印をつけて、当月のクリアフォルダに入れます。これだけで、来年の3月の自分に、かなりの確率で感謝されるでしょう!
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