本記事は、いぐぞー氏の著書『ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術
(画像=Jumpei/stock.adobe.com)

「うっかり」が多い人は正しいチェックリストの使い方を知らない

鍵、財布、スマートフォン。玄関のドアを閉めた瞬間に「あっ!」と声をあげ、絶望的な気分で部屋に戻る。そんな「うっかり忘れ」に悩まされている人は多いはずです。特に発達障害の特性があると、注意があちこちに飛びやすく、こうしたケアレスミスが日常的に起こりがちです。
かつての僕も、忘れ物の常習犯でした。しかし、これは意志力や根性の問題ではありません。人間の記憶力がいかに不完全であるか、という問題です。だからこそ、解決策は「もっと気をつける」ではなく、「仕組みに頼る」しかありません。

その最強の仕組みが「チェックリスト」です。
チェックリストは、根性論の対極にある、最も科学的で信頼性の高いツールです。医師であるアトゥール・ガワンデは『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』(吉田竜 訳、晋遊舎、2011)で、その効果を説いています。彼によれば、現代の医療や航空業界のように、人間の記憶力だけでは対処できないほど複雑で、1つのミスが文字通り「命取り」になる現場において、チェックリストこそが人々を救う「命綱」だと言っています。ガワンデは、良いチェックリストの条件について次のように語っています

ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術
(画像=ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術)

「効率的で、的確で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。すべてを説明しようとはせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。何より実用的であること」
その本質を最もよく表しているのが、彼が紹介する「セスナ機のエンジン停止時」のチェックリストです。そこにはエンジンを再始動させるための6つの手順が凝縮されていますが、最も興味深いのは、その最初の一項目です。
そこには、「飛行機を飛ばせ」とだけ書いてあるのです。
なぜか? ガワンデはこう説明します。「パイロットは、エンジンの再始動や原因の分析に一所懸命になり、最も基本的なことを忘れてしまうことがある」― つまり、パニックで「エンジン再始動」という目先の作業にとらわれ、飛行機を操縦し続けるという最も重要な「基本動作」を忘れて墜落してしまうのです。チェックリストは、硬直した思考を解きほぐし、生存の確率を上げるための「命綱」として機能します。

「第二の脳」として活用する

僕も、この「命綱」に救われている1人です。私生活では「外出前チェックリスト」を玄関のドアに貼り、指差し確認を徹底しています

ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術
(画像=ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術)

これを導入して以来、僕の外出時の忘れ物は劇的に減りました。
この威力は、仕事でも絶大です。絶対に間違いが許されないシステムのリリース作業や、顧客データの移行作業の際、僕は必ず自分専用のチェックリストを作成します。「□ ●●のバックアップ取得」「□ マネージャーに連絡」「□ ▲▲のサービスを停止」このリストがあるだけで、「何か重大なことを見落としていないか」という不安から解放され、目の前の作業に完璧に集中できるのです。
僕たちの脳は、「記憶」という単純作業よりも、「思考」や「創造」といった高度な作業に使うべきです。忘れっぽいことは、欠点ではありません。それは、チェックリストという最強の「外部メモリ」を使いこなす動機を与えてくれる、最高の才能なのです。もう自分の記憶力を責めるのはやめましょう。チェックリストを使わないのは、「自分はNASAのパイロットより優秀だ」と宣言しているのと同じです。それは自信ではなく、ただの傲慢です。
そして「次から気をつけます」は再発防止策ではありません。ただの「天への祈り」です。
最強の仕組みに頼ることで、あなたの脳は「うっかりミス」の恐怖から解放され、本当にやるべき仕事に全力を注げるようになるのです。

ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術
いぐぞー
1993年生まれ。
上場企業でITエンジニアとしてチーム開発に従事し、プロジェクトリーダー経験も持つ。
かつては「指示の意図が読めない」「忘れっぽい」「簡単な事務作業でミス連発」の常習犯だった。新人時代、上司に「今まで何十人も見てきたけど、お前が一番使えない」と宣告され、自信を完全に喪失。しかし、「気合い」や「根性」で克服することをあきらめ、エンジニアらしく「弱みを仕組みでカバーする」スタイルへ転向した。
自分の特性に合わせて仕事の手順を再設計し、記憶や意志力に頼らない「型」を運用した結果、状況が一変。プロジェクトの危機を独自の工夫で救い、尊敬するリーダーから「外注なら2,000万円かかった仕事だ」と絶賛されるまでに成長した。本書は、自らが確立した、才能もやる気もいらない「現場の生存戦略」を体系化した初の著書。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
ToDoリストですら使えなかった僕が見つけたすごい仕事術
  1. 記憶力を信じるな! チェックリストでうっかりミスをなくす方法
  2. まずヤバいと伝える、被害を広げない2秒報告術
  3. 元気を前借りする、エナジードリンクという体力の借金
  4. 作業で終わるな! 信頼される人が添える魔法の一言
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)