この記事は2026年8月19日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:アンダースロー:積極財政によるデフレ構造不況脱却を織り込み正常化する超長期金利」を一部編集し、転載したものです。
スティープなイールドカーブは財政不安が原因ではない
日本のイールドカーブが早期にスティープ化した原因は六つ考えられる。短期2%台、長期3%台、超長期4%台が、日本経済が構造的低迷を完全に脱却した時のイールドカーブの形だと考えられる。この六つの要因により、その形に向かうイールドカーブの正常化が、想定より早く進んだ。イールドカーブのスティープ化は、日本の財政不安が原因ではない。
日銀の拙速な利上げによって、2026年と2027年の実質GDP成長率は、2025年の1%台から減速し、0%台にとどまるとみられる。骨太の方針で示された「2%の物価安定目標の実現の下で、できるだけ早期に、実質で1%を上回る、名目で3%を上回る経済成長を定着させ、更に引き上げていく。」との政府の目標の実現の重荷となっている。
日銀が利上げをしても、イールドカーブはフラット化するが、景気を大きく悪化させないかぎり、長期金利は下がらない。日銀が9・10月に利上げをすれば、2027年の実質GDP成長率は2026年の+0.8%から+0.5%程度の潜在成長率なみまで更に減速するだろう。成長率の減速は円安圧力となる。これまで日銀が前のめりな利上げを続けても、円安・長期金利上昇が続いてきたことを忘れてはいけない。
日本のイールドカーブが早期にスティープ化した原因は六つ考えられる。短期2%台、長期3%台、超長期4%台が、日本経済が構造的低迷を完全に脱却した時のイールドカーブの形だと考えられる。この六つの要因により、その形に向かうイールドカーブの正常化が、想定より早く進んだ。イールドカーブのスティープ化は、日本の財政不安が原因ではない。10年国債金利と政策金利の差は、米国と英国の動きと似通っていて、グローバルな動きである。
日銀の拙速な利上げによって、2026年と2027年の実質GDP成長率は、2025年の1%台から減速し、0%台にとどまるとみられる。骨太の方針で示された「2%の物価安定目標の実現の下で、できるだけ早期に、実質で1%を上回る、名目で3%を上回る経済成長を定着させ、更に引き上げていく。」との政府の目標の実現の重荷となっている。日銀が利上げをしても、イールドカーブはフラット化するが、景気を大きく悪化させないかぎり、長期金利は下がらない。日銀が9・10月に利上げをすれば、2027年の実質GDP成長率は2026年の+0.8%から+0.5%程度の潜在成長率なみまで更に減速するだろう。成長率の減速は円安圧力となる。これまで日銀が前のめりな利上げを続けても、円安・長期金利上昇が続いてきたことを忘れてはいけない。
- 積極財政を目指す政権の誕生によって、名目GDP3%成長が持続的である期待が高まった。政策金利の影響の小さい超長期から順に金利が上昇した。
- グローバルな経済政策の潮流が、新自由主義による効率化重視の投資不足から、官民連携の戦略投資の競争に変化し、長期投資が拡大しつつある。投資が先行する欧米は財政赤字が大きい。
- 日銀当座預金残高に付利があるため、日銀の利上げ局面で金利上昇が予想される中、国債投資が控えられる副作用がある。付利のある利上げは、付利のない利上げよりも、イールドカーブをスティープ化させ、引き締め効果が強いリスクがある。長期投資を抑制するリスクにもなる。
- 日銀は国債買い入れを減額しているため、名目GDPの増加額と比較して、成長通貨の供給が不足するのではないかとの不安がある。成長通貨の供給の必要性が日銀が減額を止める理由になったと考えられる。
- 賦課制度下の年金基金の膨張は、本来民間にあるべき長期資金を政府が吸収していることを示す。民間から吸収した長期資金の50%が海外に振り向けられてしまっているため、長期投資の拡大が予想される中、日本で長期資金が不足する不安がある。
- 長期金利の上昇は、日銀の利上げに前のめりの施政によるターミナルレートの織り込みの上昇と概ね連動しており、財政不安によるタームプレミアム拡大主導ではない。タームプレミアムは、2013年の大規模金融緩和以前の水準に戻りつつある。
図1:10年国債金利と政策金利の差(2025年6月末対比)
図2:市場の日銀ターミナルレート織り込みと国債10年金利
出所:Bloomberg、クレディ・アグリコル証券)
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