今週は、週前半は原油価格下落によるロシア経済の動揺に伴うリスクオフ地合が強く、ドル円は軟調に推移したが、米FOMCを契機に週後半からはリスクオンに切り替わる1週間であった。
今週のドル円相場は118円69銭で15日(月)の東京市場に寄り付き、週前半は軟調に推移した。16日(火)のロンドン時間には、ロシア株が大幅安となる中、ドル円は週間安値となる115円57銭まで下落した。
しかし、18日(木)のFOMCの声明発表を機に、市場のムードが一変した。FOMC声明文では、ゼロ金利政策を「相当な期間」から「辛抱強く」に変更する一方で、イエレン総裁が「今後2回の会合では利上げはない」と発言したことが安心感を与え、株式市場は買いで反応した。
また、「2015年半ばまでに利上げ開始と多くのメンバーが予想している」ことも明らかにされ、ドル円も買いで反応し、117円台から119円台まで押し上げた。
19日(金)には黒田総裁の追加緩和を想定させる発言も好感され、119円43銭で今週の取引を終えている。
来週は、米国ではクリスマス休暇に入り、マーケットの参加者は減るだろう。ポジション手仕舞いに伴うドル円の下落を警戒する声もあるが、FOMC前に調整局面をこなしている分、ポジション調整に伴う下値警戒感は以前よりは和らいでいるのではないか。
経済指標は、23日(火)に米国の第3四半期GDP(確報)の発表がある。また、本邦では25日(木)に黒田日銀総裁講演の記者会見が予定されている。
(ZUU online)
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