九州新幹線

1月27日、国土交通省は、JR九州の上場について平成28年度を目指すことが適当であり、そのためにJR会社法改正案を平成27年通常国会に提出し、成立を図る必要があるとの報告書をまとめた。

JR九州については、現在も継続して独立行政法人鉄道・運輸機構が同社の株式を100%保有している特殊会社であり、JR会社法の適用を受けている。同社は現在、九州全域に旅客鉄道路線約2,270kmの鉄道ネットワーク、社員数約9,300人を有する鉄道事業者として、九州七県で1日あたり約3,000本の在来線旅客 列車を運行しており、年間約323百万人が利用している。

JR九州の鉄道事業における営業損益は、分割民営化された昭和62年度は△280億円であったが、平成25年度は△156億円と改善している。また同社は、鉄道事業に加え、駅ビル、マンション等の不動産事業、流通・外食事業、ホテル事業等の関連事業を展開しており、JR博多シティの運営管理等を行っている駅ビル・不動産事業は約167億円、流通・外食事業は約32億円の経常利益(平成25 年度)を計上するなど、子会社も含めたこれら関連事業の経常利益が約250億円(平成25年度)に達しており、国土交通省は一般民間会社と比べても遜色ない水準と判断している。

年間120億円程度の運用益を上げている経営安定基金(3,877億円)については

①長期安定的な収益性を有する他の資産への振替

②将来の鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産への投資に充てること

が適切と判断し、その返還を求めない方針だ。具体的には

①九州新幹線貸付料の一括前払い(2,205億円)

②鉄道資産取得のために独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から借り入れた無利子借入金の償還財源への振替(800億円)

③鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産への振替(872億円)

を想定している。

JR九州が上場すれば、1993年のJR東日本 <9020> 、1996年のJR西日本 <9021> 、1997年のJR東海 <9022> に続き、JR7社のうち4社目の上場となる。

(ZUU online)