11日、高級電気自動車を製造する米テスラ は、2014年第4四半期で107.6百万ドル(約130億円)の損失を計上したことを発表した。

2014年通期では294百万ドル(約353億円)の損失となり、2013年通期の74百万ドル(約89億円)の損失から更に悪化している状況だ。これは当初予定していた2014年の生産数35,000台が全て販売できなかった事が原因だと同社は説明している。

販売できなかった理由として、顧客が年末の休みに入ってしまった事と、冬の悪天候により納入ができなかった事をあげている。これにより1,400台が出荷されたものの、納入は2015年第一四半期に伸びてしまい、結果として第四四半期の決算に影響した。

11日(水曜)のテスラの株価は1.6%ダウンの212.80ドルで終了したが、その後NASDAQの時間外取引で202.22ドルまで下落している。

テスラに関するニュースとしては中国での販売についても話題となった。同社社長のイーロン・マスク氏は、今年初めには中国の販売規模が米国に近づくと予測していたものの、現時点で中国の販売は米国の10分の1にとどまっている。2014年に中国の同社上級幹部が辞任した事もあり第4四半期は予想外に販売が低調であったが、マスク氏は「中国での問題を解決して年央には改善する」と発言、最大の課題は「中国において車の充電が難しいという認識がある」ことだと話している。

テスラの第4四半期の売上は約957百万ドル(約1,148億円)だが、その内42百万ドル(約50億円)は独Daimlerへのパワートレインの販売が含まれており、66百万ドル(約79億円)はZEVクレジットである。

米カリフォルニア州大気資源局(CARB)により、同州内の一定以上の台数を販売する自動車メーカーに対して決められた比率をZEV(Zero Emission Vehicle)にする事が義務づけられている。CARBはZEVの車種ごとに係数を決め販売台数に対して達成すべきクレジットを定めている。基準に達しないメーカーは、CARBに罰金を払うか他社からクレジットを購入しなければならない。テスラはこのクレジットを他社に販売する事で大きな利益をあげ続けている。

テスラは四半期決算発表の中で、第4四半期で11,627台を生産した結果、2014年においてモデルS(ラグジュアリーセダン)を35,000台生産し、販売の活性化が見込まれている開発中のModel X(SUV)は、計画通り第三四半期には最初の納入を開始できる予定だと説明している。

(ZUU online)

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