2014年、世界中を震撼させたエボラ出血熱。世界保健機関(WHO)によると、流行地の西アフリカを中心に、エボラ出血熱の死者は9,000人を超え、感染者は2万人に到達した。これまでのところ、西アフリカ以外の地域での感染拡大は防ぐことができているものの、アメリカで感染者が確認され1人が死亡したケースでは、治療に携わった看護師2人にもエボラ出血熱が感染してしまったため、一時パニック状態に陥った。
日本国内では、流行地域からの帰国者で、発熱などの症状が起き検査を受けた例はあるが、感染者は確認されていない。感染の流行は小康状態に入ったとみられるが、2月1日までの1週間の新たな感染者の数は、前の週を上回るなど楽観視できない状況だ。日本は感染地域への医師派遣の他、治療薬がエボラ出血熱に効果が証明されるなどエボラ出血熱に関連する取り組みに携わっている。そこで、エボラ出血熱に関する銘柄で注目すべきものをあげる。
①富士フイルムホールディングス <4901>
一連のエボラ出血熱の流行で最も注目を浴びたと言っても過言ではないのが、インフルエンザ治療薬「アビガン」。フランスの研究所からエボラ出血熱への治療薬としても有望であるとのお墨付きを受けた。アビガンは富士フイルムのグループ会社富山化学工業が開発し、日本では抗インフルエンザウイルス薬として承認されている。
②大正製薬ホールディングス <4581>
アビガンを開発した富士化学工業へ34%出資(富士フイルムホールディングス66%出資)。アビガンの国内販売を大正製薬と富士化学工業の共同出資会社の大正富士医薬品が担当する。
③アンジェスMG <4563>
遺伝子治療技術を応用して、エボラ出血熱対策の医薬品となる抗血清製剤の開発を開始することを明にしている。DNAワクチンを使用することで、安全に短期間で製造が可能になり、緊急を要するエボラ出血熱治療薬に最適という。
④アゼアス <3161>
エボラ出血熱の2次感染を防止するのに重要なのが、防護服の着用。アメリカのデュポン社製の防護服の販売を取り扱うほか、自社製品の防護服も手掛けている。
⑤日本エアーテック <6291>
クリーンルームの製造元。ウィルスや細菌の拡散、感染防止のため、緊急感染症患者を隔離するためのベッド用簡易隔離ユニットなどを取り扱う。