ローソンは、100円ショップである「ローソンストア100」の直営店200店を閉鎖することを決めた。合わせて収益性の低い店舗を収益性の高い店舗へと転換することも明らかにしている。これをもって、ローソンが苦境にあるという見方もあるが、 2015年2月期第3四半期の連結業績でみると、営業利益は、597億7300万円で前年比109.1%と決して悪くない。


デフレマインド転換で高付加価値に需要が移る

アベノミクスの効果により、デフレマインドの転換が徐々に進む中、低価格帯の商品よりも高付加価値の商品に需要が移る傾向があり、単に安いだけでは売れない時代になってきている。また、ローソンストアは、スーパーマーケットより値段が高く、コンビニより魅力ある商品が少ないという中途半端な立ち位置であったことが顧客離れにつながったといえる。とはいえ、ローソン全体での営業利益は好調なので、ローソンストア100の閉鎖は不採算部門の早期撤退ということで、むしろ経営戦略的には良い選択だといえよう。

一方、セブン&アイ・ホールディングスの2015年2月期第3四半期決算短信(連結)によると、コンビニエンスストア事業の営業利益は、2,096億円、前期比106.1%とこちらも好調である。セブン-イレブンの売上高は、ローソン全体の1.3倍程度しかないものの、営業利益ベースではローソンの3.5倍もあり、コンビニ業界では1人勝ちの状況といってよいだろう。

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