ローソンとセブンイレブンの違い
では、ローソンとセブン-イレブンでは何が違うのか。コンビニエンスストアを選択する場合、立地がなにより重要であることは間違いない。どんなによいコンビニでも不便な場所にまで買いに行く客はいなからである。その点、 ローソンストアやローソンマートは立地が良くないため不利になっている。しかし、ローソン本体については、セブン-イレブンとそれほど遜色はない立地条件を満たしているはずなので、それが大きな差になっていることはないだろう。
セブン-イレブンのイメージ戦略
コンビニのニーズとしては、食べ物が一番多いので、結局はおいしい商品が置いてあるかどうかが重要になってくる。しかも、あらかじめ商品が決まっているという場合だけではないので、イメージとしておいしい物があるという蓋然性が高い店舗になる必要がある。この点については、セブン-イレブンは「セブンプレミアム」としてプライベートブランドを展開し、さらにワンランク上の品質を目指した「セブンゴールド」シリーズがある。この「金のシリーズ」は、製法や味や価格にこだわり、非常に好評を博している。セブン-イレブンでしか手に入らないというプレミアム感と「セブン-イレブン=おいしい物がある」というイメージ戦略が成功している例といえる。
一方、ローソンもプライベートブランドはあり、かつては、「プレミアムロールケーキ」というコンビニスイーツの概念を覆すような商品を開発し、売上を伸ばしたことがある。その後、他のコンビニ各社もスイーツに力を入れはじめたため、かつてほどの勢いはないものの、現在でも「コンビニスイーツ=ローソン」というイメージは残っている。
ただ、スイーツはメインの食事に比べるとプラスアルファ的なものなので、どうしても、食事ということになると、セブン-イレブンの方が有利な状況にある。セブン-イレブンが成功しているのは、やはり、「顧客第一主義」で顧客が何を求めるものをマーケティングし、良く理解しているからである。多少高くてもおいしい物を食べたいという欲求を満たしているのである。その結果、「セブン-イレブン=おいしいものがある」というイメージ戦略に成功しているのだ。
それに対し、ローソンは、「からあげクン」や「プレミアムロールケーキ」など、新たなものを提案するという点においては優れているが、ピンポイントの商品力になっており、「ローソン=スイーツ」あるいは「ローソン=からあげ」というように、店舗に対するイメージが醸成されていない。その点が、ローソンがセブン-イレブンに勝てない理由ではないだろうか。
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