3月12日、イーブックイニシアティブジャパン <3658> が2015年1月期決算を発表した。売上高51億円(前期比23.4%増)、営業利益3.1億円(同30.4%減)、経常利益3.1億円(同25.9%減)、当期純利益1.8億円となった。2014年3月に発表した予想値より売上高は微減となったものの、大型の値引きキャンペーンを一部に留めたため利益ベースは想定より落ち込まなかった。また、続く2016年1月期の業績予想も発表、売上高60億円〜70億円、営業利益△2億円〜1億円、経常利益△2億円〜1億円、当期純利益△1.2億円〜0.8億円とした。

電子書籍事業において売上高が大きく増加、特にスマートフォンやタブレット等のモバイル端末での利用が増え、前年同期比27.7%増加、29.9億円と全体の売上の60%近くを占めるまでになった。一方、人員採用や販促のためのポイント付与、新規会員獲得のための広告宣伝などで経費も増加し、営業利益ベースでは30%を超える減益となった。

次期については電子書籍市場がスマートフォン・タブレット端末等のモバイル端末の普及と相まって、今後も引き続き堅調に拡大すると見込む一方、依然として大手資本をはじめとする競合各社との競争の激化を想定、システム及び組織・人材への投資を積極的に行い、新たな事業領域への展開に向けた布石を打っていく予定だ。

同社はマンガを中心とした電子書籍配信を主業としており、マンガの作品数は業界で首位級だ。登録会員数も100万人を超える。未電子化作品のマンガへの対応の強化、そして新刊同時発売を加速させることでマンガの品揃えの優位性を高めており、マンガ以外でも、専門書や児童書の取り扱いを増加させ、総合書店として作品の拡充を図る。

2015年1月末時点の電子書籍取扱い冊数は、マンガ117,290点、総合図書212,150点、その他14,390点の合計343,830点となった。航空機内向けサービスや人気マンガコンテンツのキャラクターを用いたタイ アップ・プロモーション、クールジャパンイベントの開催なども行っている。

公益社団法人全国出版協会が発行する出版科学研究所「出版月報」によると、2014年の書籍・雑誌の推定販売額は前年比4.5%減の1兆6065億円となり、10年連続の減少となった。その内訳は書籍が4.0%減の7544億円、雑誌が5.0%減の8520億円となっている。株式会社インプレス発表の「電子書籍ビジネス調査報告書2014」によると、2014年度の電子書籍市場は936億円となり前年度に比べて28.3%増加するとしている。

(ZUU online)

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