調整が済んだものから買われる―本日の投資戦略・アルゴナビス清水洋介

2015/04/16

著者ZUU online編集部

NYダウ 18,112.61 △ 75.91
NASDAQ 5,011.02 △ 33.73
CME <シカゴ市場> 日経平均先物終値 19,860 円 ▼ 10 円
NY為替 119.04 円 ▼ 0.34 円
日経平均 19,869.76 円 ▼ 38.92 円

おはようございます。

ようやく春らしい日差しとなって来ましたが、株式市場は何となくすっきりとしない感じです。日経平均が20,000円を付けたといっても一瞬であり、「達成感」や「失望感」から一気に手仕舞い売りが出るかと思ったのですが、意外に値持ちが良くなっています。買い場を与えてもらえると待ち構えていた向きもあったのでしょうがなかなか思うようにはいかないものです。

「押し目待ちに押し目なし」と言うことで今度は押し目と思ったら下落の始まりということにもなりかねないのですが、一気に調整となって来ると「買える銘柄」が増えると喜んでいいと思います。日銀や年金の買いなどが一服してくれないとなかなか買えない状況が続いてしまうということでしょう。

米国株は堅調ですが、為替が円高に振れたことや欧州問題、中国の景気鈍化懸念などもあり、本日の日本市場も引き続き冴えない展開となりそうです。本来であれば一気に手仕舞い売りに押されるというところでしょうが、日銀や年金の買いも期待されることから昨日までと同様に方向感に乏しい展開となりそうです。幕間つなぎ的に小型銘柄の値動きの良いものや好決算が伝えられる銘柄などが物色されることになりそうです。

日経平均の2万円が遠のいた感じですが、その割には一気に失望感や達成感から売られるということになっていません。日銀や年金の買いが入っているということで底堅さが見られるのでしょうが、本来であれば19,500円～600円水準、あるいは19,200円～300円水準までの調整があっても良いところです。

本日の投資戦略

日銀や年金の買いが期待され、追加緩和すらも期待されているので売り難いという感じです。利益が出ていて目先的な過熱感が強いものは手仕舞い売りもあっさりと出て来るのですが主力銘柄に関しては売られれば買われるという感じで値持ちも良く、なかなか買い場を与えてくれるということでもないようです。

決算発表が本格化してくるところであり、日銀や年金の動向よりも「今期業績見通し」などに敏感に反応して来るのだと思います。決算動向を見ながらと言うことになるのでしょうが、買い場を与えるように調整が済んだものから買われると思います。

銘柄ニュース

DIC <4631> 373 ▼ 3
自動車向け高機能樹脂を2割増産すると発表しました。軽量化を求める自動車部品メーカーの需要を見込み、増産を決めたということです。

ノエビアHD <4928> 2,642 ▼ 55
子会社の工場にドリンクの製造ラインを増設すると発表しました。飲料品市場はエナジードリンクの任期などで拡大しており、今後も増産の需要があると判断したということです。

スミダコーポ <6817> 681 ▼ 1
ベトナムに新工場を建設すると発表しました。自動車や産業機器向けコイルの受注が好調で、生産能力を高めて需要に応えるということです。

船井電機 <6839> 1,358 ▼ 21
オランダ電機大手と米国やメキシコ、南米の液晶テレビとビデオ機器事業で同社ブランドを使う契約を3年延長すると発表しました。テレビ事業では蘭社ブランドを活用して米国市場を開拓するということです。

メディパル <7459> 1,627 ▼ 12
新薬の発売後、効能や副作用を調べるサービスを始めると新聞で報じられました。多くの医療機関を調査対象にするため手間がかかるが、自社の販売網を活用することでコストを減らすということです。

オムロン <6645> 5,410 ▼ 60
画質が高いスマートフォンの基幹部品製造に必要な精密金型の新工場を設けると新聞で報じられました。「4K」搭載のスマートフォンが年内にも登場するなど、高画質化が進んでいることに対応するということです。

清水洋介（しみずようすけ）
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 <現・アルゴナビス > 、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メルマガ購読はこちら