Q.総務経理の現場で、今後どのような仕事・業務が残っていくか?

大前氏: それはもう事業計画ですよね。人材計画とか事業計画とか、ファシリティ・マネジメントとかそいうやつは自動化できませんし、クラウドでできる仕事ではないんですよね。ですから、考える仕事、ひねる仕事、付け加えたり止めたりするような仕事です。私も戦略計画とその辺をずっとやってきていますけれども、そういう仕事は結局、自動化できないです。

昔ロータスって会社が私をボストンに閉じ込めて、大前研一の作る戦略計画っていうのはこういうものだというひな形を作らされましたけどね。ロータスでCEOを務めたジム・マンジでね。でも、あんなの見ていると自分で作ってておかしくてしょうがない。こんなのもってきて俺が社長だったら、「バカ出直してこいと言うよ」と言ったんだけど、ジム・マンジとしては「でも、研一お前のサインがある」。私のサインだけ取りやがってあいつね、こういう風にやってましたよ。

しかし、そんなチープな計画じゃだめですよ、形式だけですから。今で言うところのパワポみたいなのを当時ロータスも考えていたんです。エディターとかなんか、そんな名前がついていましたけどね。そういうことで、考える仕事、それは施設とか人とか事業計画とか何でもいいんですけど、そちらの仕事は移って行きません。クラウドでやるのも非常に難しいと思います。