大前研一
(写真=ZUU online 編集部)

クラウド会計システムサービスを提供するマネーフォワード(MF)が4月末に開催した「MFクラウド Expo 2015」。MFだけではなく、マネックスグループなど、クラウドコンピューティングサービス分野をリードする各社が集った会場で、ビジネスのオピニオンリーダーでもある大前研一氏が講演し、クラウドコンピューティングにかかわる市場の概況や、見通しを披露した。

さらに、大前氏は講演の最後で、参加者からの質問に回答。事前に集めた参加者からの質問に一つひとつ丁寧に答え、クラウドサービスが一般的になった先のビジネス環境や、起業家・企業家が直面している現状がどのようなものか、インサイトを明らかにした。以下では、会場で実際に行われた、Q&A形式で大前氏のアイデアを紹介する。


起業家は「まずはクラウドを使ってみること」

Q.スタートアップにとって、クラウドサービスの利用にはどのような意義がありますか?

大前研一氏: でかい箱(パッケージ)を買わないで済むということですよね。今は会計ソフトだけじゃなくて、いろいろな業務ソフトとか、あらゆるところでクラウドがあり、ほとんどはフリーミアムですから。最初のころは無料って多いですよね。

今日ここにきた元榮君の弁護士ドットコムなんていうのも、弁護士にどうやって頼んだらいいのかわからない時に、とにかく使ってみることです。そうすると、いろいろな交渉なんかを手伝ってくれるということが弁護士ドットコムで分かって、ユーザーにうける。こういう話です。

まずはスタートアップの人たちは、クラウドでタダで出来るものはとにかく自分で経験してみると。それから、3Dプリンターや、クラウドサービス・ソーシャルメディアなどの登場で可能になったエンジニア個人が独立して製品開発に取り組んだりするひとり「メイカーズ」で何か作りたい場合でも、そういう物を自分で利用してみることです。ソフトとかパッケージとか、ネット上にいっぱいありますから。もう、図面からモジュールまで、全部あります。