Q.日本は100年以上続く企業が世界一番多い。100年以上続く日本企業のマインドと欧米の大企業のマインドはどう違うのでしょうか?

大前氏: これはあんまり、重視しないほうがいいです。これから全ての会社が滅びる可能性があります。100年だろうが5年だろうが。この前、大仏蓮のあれをやった宮大工が潰れましたけれども、そういう風にこれからは、今日言ったような大きな流れを捉えられないとやはり苦しい。

だから100年企業も安心するなよという風に思います。私も友人の中に何人かそういう人がいますけれども、やっぱりお客さんに合わせて変わっていかなければありません。購買の意思決定者に合わせて変わっていくっていうのは当たり前です。

実は日本と同じくらい 100年企業が多いのは ドイツなんですね。EUのように、自動的に国境がなくなるというこういうことがあったんで、 ドイツの方も大きく変わってきています。 特に大きく変わってきているのは、日本だけではないです。

日本のこういう本を読むと、みんな日本だけって書いてありますけれども、ドイツも非常に強いです。古い企業がね。どうしても変わらなくていいものっていうのはもちろんあります。観光業なんかもそうです。

だけど例えば中、国人が日本に来て爆買いしなんかしているじゃないですか。あの人達の動機は何だと思いますか?駆動力はバイドゥなんです。百度って書きますが、みんなあれを見てくるんですよ。だからバイドゥの中で非常に高いシェアを取ると、自分の店に来てもらえるようになります。広告を出すのは5万円しかかかりませんが、もっといいのは中国人の留学生にぎゃんぎゃんあそこで発信してもらうことです

例えば山梨県のこのところが、富士山の写真を取るの一番だとバイドゥで言ったら、みんなそこに来るようになりました。今では観光バスが来るようになって、今では日本のおみやげもの屋もできてきて「なんだこれは」という感じですよ。日本人はまだ気がついていないけど、確かにそこは富士山一番キレイです。それも、バイドゥがきっかけです。

中国人観光客は軽井沢にもきます。バイドゥをこうやって見て、駅前のレンタルサイクルでもって自転車を借りましょうとあれば、みんなそこで借りて、日本人みたいな顔して行きますよ。顔見ただけじゃわからないですから。「お昼ごはんはここで食べましょう」「メニューはこれ」といった具合でみんな書いてあります。

だからバイドゥから無視されたらみなさんのルートにこないですね。わかります?つまり、そういう商売でも、中国人を呼び込もうと思ったら、バイドゥで勝負することです。ということで、この世界でもやっぱり、バイドゥを駆使することが非常に重要になってきます。ですから、全ての産業がICTでもってメリットがあるというところがあると思います。