Q.経営者の働き方はこれからどう変わりますか?
大前氏: 経営者っていうのはですね、やっぱり、みんなに「やれ」って言うだけじゃダメです。
自分でやってみると。そして会社もみんなやっている人たちと意見を合わせた時に、分かるようにすると。最終的には経営者が判断しなきゃいけない。だから判断する人間として「使ったこともない」「君らに任せるよ」というのでは危険すぎます。
ですからやっぱり一番経験のある人がそういうものを自分で使ってみる。ダメだったら私みたいに孫と一緒にやるのが一番ですよ。息子とやるとなおいいと。こういう風になってると思いますね。すなはち、経営者も自分で手を染める、自分で原始感覚をもつことが重要です。任せて安心なんてことはないです。ですからそういうところは何歳になってもやってもらいたいと。
私は今72才なんですけど、バイクもやってるし、スノーモービルもやるし、ジェットスキーもやる。どれといってやらないものはないと。そういうことで、ずーっとそこに食いつついていると、私『インターネット革命』って本を書いたのが95年で、ちょうど20年たちましたけれども、まだずっと革命が続いているのでなかなか手を休めないんですね。72才でも関係ないですよ。常にそこに、チャレンジするという意識をもつということは重要で、その最大の武器は、自分でやってみるということです。ですからぜひ経営者もそういうことで考えていただきたいという風に思います。
Q.クラウドを活用して複数の企業を掛け持ちして働く生き方の可能性はどうでしょうか?
大前氏: やめてください。事業化になったら一本集中してください。2本も3本もかけもちしてね、マインドが集中できるかと。やっぱり企業っていうのは考え続けて考え続けて、特にお客さんのことを考え続けて、それで商売になるもんです。そういうところで、楽になったからっていって、2つも3つもっていうのではなく、普通の経営者だったらやっぱり1本に集中して、とことんカスタマーサティスファクションというところを追求してもらいたい。
私でしたらスチューデントサディスファクションですね。うちで受講してくれる人たちの満足度とか、そういうところを考えながらやると。これはやっぱり2つも3つもやっていたらだめです。いくつかの会社をスタートしましたが、今はもう全部それを他人に譲って、大学というか経営のプラットフォームの仕事だけをやっているということですけれども。
この歳でもそれができている理由は、一個に集中しているからです。ですからそういう意味では、簡単になったからって2つも3つもやっちゃいけないです。金があるからっていって浮気を3つも4つもやっちゃいけないのと同じですよ。理由は、人間としての生き方を考えてほしいと思います。(ZUU online 編集部)
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