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(写真=Thinkstock/Getty Images)

日本は「60年償還ルール」という他国にみられない特殊なルールがあるため、政府の債務は完全に返済しなければいけないという誤解が生まれる。しかし、グローバル・スタンダードでは、政府の債務は完全に返済することになっていないことはほとんど知られていない。

通常は政府の債務は永久に借り換えされていく。完全に返済することがない他国は、言ってみれば「60世紀償還ルール」ということになり、それが普通である。

例えば、米国政府予算の国債費の中には基本的に償還費は計上されておらず、国債費=利払い費となっている。誤解が多いのは、償還費を含まない他国の国債費と、それを含む日本の国債費を単純に比較し、日本の国債費が巨額だという指摘だ。

さらに政府の予算では、国債の完全償還のために更に国債を発行しており(歳出に償還費を計上し、歳入に国債発行を同時に計上する)、事実上「60年償還ルール」はあまり機能していない。

2015年度政府予算では、国債の償還費が13.3兆円で、公債金収入が36.9兆円となっている。債務の負担については、通常は、政府の債務残高自体を減らすことではなく(完全償還はしないので)、債務残高の名目GDP比率を低下させることが目標となる。

「60年償還ルール」の60年が長すぎるという意見はよく聞くが、そのルール自体がグローバルに異質であることの指摘がほとんどみられないのは疑問だ。

そして、債務を完全に返済することがない政府のファイナンスを、分かりやすいという理由で、完全に返済しなければいけない家計に例えてしまうと、本質を曲げてしまうミスリーディングな解説になってしまうことには注意が必要だ。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト

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