月次GDPの動向
2015年5月の月次GDPは前月比▲0.2%と2ヵ月連続で減少した。外需寄与度が2ヵ月連続で成長率の押し下げ要因となり、設備投資(前月比▲0.3%)、公的固定資本形成(同▲3.6%)の落ち込みなどから内需寄与度も前月比▲0.1%と小幅ながら2ヵ月連続のマイナスとなった。
現時点では、2015年4-6月期の実質GDPは前期比▲0.3%(年率▲1.1%)と3四半期ぶりのマイナス成長になると予想している。
輸出が4四半期ぶりに減少し、外需寄与度のマイナス幅が1-3月期の前期比▲0.2%から同▲0.3%へと拡大することに加え、民間消費が4四半期ぶりに減少し、設備投資の伸びが大きく鈍化することなどから、内需も小幅なマイナスとなることが見込まれる。
(1) 形態別在庫残高には民間、公的の区別がないため、民間部門、公的部門を合わせた在庫残高に形態別の実質民間在庫品増加を積み上げて試算している
(2) 従来は速報値で形態別の民間在庫品増加は公表されていなかったため、速報値から確報値の改定は民間在庫品増加全体しか把握することができない
斎藤太郎
ニッセイ基礎研究所 経済研究部
経済調査室長
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