「日米安保は不公平」日本にも批判的な発言

日米安保にも言及。8月25日にアイオワ州の集会で数千人を前に演説し、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約は不平等だと訴えている。「日本が攻撃されれば、米国はすぐに助けに行かなければならないが、われわれが攻撃を受けても、日本は助ける必要はない。条約は不公平だ」と明確に語っている。

さらにそれにさかのぼる21日のアラバマ州での演説では「安倍晋三首相は頭がキレる。キャロライン・ケネディ駐日大使は飲まされ食わせされ、日本の望むことを何でもするようになった」と、オバマ政権の対日交渉姿勢をこき下ろす発言も行っている。TVインタビューでは「カール・アイカーンを駐日大使に送り込む」とも述べている。アイカーン氏はモノいう投資家として有名だ。

日本にかぎらずアジア諸国に対しても手厳しく、自分が大統領になったら中国の国家主席が渡米しても公式晩餐会ではなく「ビッグマック」を提供するだけですぐに実務的な会談をすると述べている。また最近の株安についてはTwitterで、「株価が急落したのは中国やアジア諸国に主導権をにぎらせたせいだ」などと批判している。

Markets are crashing - all caused by poor planning and allowing China and Asia to dictate the agenda. This could get very messy! Vote Trump.

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2015, 8月 24

極度のナルシシスト?

トランプ氏の発言から透けて見えるのは、自らがかしこく、金持ちであるというナルシシズムだ。鼻持ちならない存在のようにも思えるが、オバマ政権で長く停滞を感じてきた米国民には、現状を打破してくれる英雄のように見えるのかもしれない。

来年夏に候補者が決まるまで注目される

次の大統領選は、来年2016年7月に共和党・民主党が全国大会を開いて公認候補者を決定。11月に一般有権者による投票と開票、12月に選挙人による投票を経て決まり、17年1月に就任式が行われる。民主党はヒラリー・クリントン前国務長官を中心に候補者が数人に絞られているが、共和党はまだ十数人が有力とされる。しばらくトランプ氏の言動から目を離してはいけないだろう。(ZUU online 編集部)

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