(写真=PIXTA)
課税対象者が昨年の1.5倍?
「うちの財産は自宅とわずかな貯金だけだから、相続税なんて関係ない」。昨年までそう考えていた人も、今年からはのんびり構えていると後々痛い目にあうかもしれない。1月の相続税改正により、相続税課税対象の人は全体の4%から6%と、1.5倍に増えると予想されているからである。特に地価の高い大都市圏に自宅を構えている人は相続税が発生する可能性が十分にある。
数ある相続税対策のなかでも、最初にしておきたいのが「自分にはどのくらいの相続税が発生するのか」を事前に計算することである。相続税の計算方法を知ることで、どこを「節約」すればいいのかも見えてくる。計算方法を詳しく解説していこう。
遺産を「評価」する
多くの人がご存知の通り、相続税は遺産の総額が高ければ高いほど、高い税率が課される仕組みになっている。遺産を決まりにしたがって「評価」した金額が「評価額」と呼ばれ、課税対象となる。
現金・預貯金の場合は、そのままの残高が評価額となるが、不動産や金融資産の評価は少し異なってくる。ここでは代表的な相続財産でもある不動産、株式、生命保険について評価額の計算方法を紹介しよう。
まず自宅やマンションなどの建物、それに付随する土地などの不動産の場合、主に建物は固定資産税評価額(時価の約6~7割)、土地は路線価(時価の約7~8割)によって評価される。時価より低く算出されることがほとんどのため、金融資産よりも不動産の保有によって節税が可能、という意見さえもある。
金融資産であれば、上場株式は▽課税時期月の毎日の最終価格の平均額▽課税時期月の前月の毎日の最終価格の平均額▽課税時期月の前々月の毎日の最終価格の平均額—のうち最も低い価額で評価される 。
生命保険金の場合、死亡保険金の受取人が相続人である場合、「法定相続人の数×500万円」までが非課税となり、その額を超えた分についてのみ相続税の課税対象財産となる。