「増税」効果は子1人あたり320万円

1月の相続税改正以前の計算式をあてはめると、子2人についての相続税は、制度改正前よりも総額で約320万円の増額となっている。また、相続財産から基礎控除を引いて2億円超を保有する場合の相続税率は旧制度より5%アップの45%になっており、6億円超の最高となる相続税率については55%に引き上げられた。

特に都市部で評価額が高いケースでは、納税資金となる預貯金などの金融資産に余裕がない場合は、長年住み慣れた自宅を売却しなければならない可能性も考えられる。

不動産に関する特例を知ろう

しかし、不動産の評価額がそのまま課税されてしまうわけではない。不動産の相続に関しては、金融資産等と違い特例が設けられている。

例えば、「小規模宅地等の評価減特例」。これは、自宅として利用していた土地について、評価額を80%も減らすことができるものである。適用の範囲は、配偶者や同居の子などの親族までとなる。ほかにもさまざまな要件があるが、増税となった相続税改正のなかで、この特例に関しては適用される宅地面積の限度が330平方メートルへと拡充されたことは特筆すべきだろう。

忘れてはいけない「争続」対策

ここまで相続税額の計算方法を解説してきたが、あくまで遺産の分割方法で争いが起こっていないことを想定している点に注意してほしい。

金融資産と違い、不動産は分割して保有することが難しい。相続発生時に、自宅を手放さないことからの遺産争いが起こるのはありふれた話である。家族がバラバラになる”争族”対策として、相続発生前に、相続税と遺産分割方法について話し合っておくことが何より大切であろう。(ZUU online 編集部)

【関連記事】
・コカ・コーラに33億ドル追徴課税 同社は争う構え
・11月4日上場へ!日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場を徹底解剖
・日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
・日経新聞/日経MJから、四季報まで全てネットで閲覧可?その意外な方法とは
・証券業界に革命?「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」に注目が集まる理由

【あわせて読みたい 「相続税」記事】
税制改正の相続税への影響とは?おさえておきたい要点まとめ | ZUU online
相続税と土地・路線価の関係性とは | ZUU online
今すぐできる有効な「相続税対策」とは? | ZUU online
相続税の基礎控除って何?思わぬ落とし穴も | ZUU online
相続税対策で「アパマン購入」早すぎると失敗するワケ | ZUU online