CEBR
(写真=PIXTA)

「今後5年以内に新しい金融サービスが、昨年度の10倍の収益にまで急成長する」——。欧州調査機関センター・フォー・エナジー・エコノミクス・リサーチ(CEPR)と米ペイメント会社Fiservがこんな見通しを示した。


銀行にとっては大きな脅威となりかねない

CEPRとFiservの調査によると、P2Pやクラウドファンディング・プラットフォームを採用することで、小規模ビジネスにとっては大幅な収益アップが見込める。既にこれらの新型金融システムは、2011年度の9000万ドルから14年度の12億ドルと異例の伸びを記録しており、継続的な急成長への期待が高まっている。

調査レポートの中では、テクノロジーの進化が金融革命に貢献したことが指摘されており、「従来の中小企業は、銀行に融資を頼るしかなかった。しかしP2Pなどの出現により、そうした流れに大きな変化が起きている」と記されている。また「サービスの便利さや強化されたマーケティング効果で、需要はさらに高まるはずだ」と、銀行にとって大きな脅威となりかねない可能性も示唆している。

しかし2020年に予想されている123億ドルという数字は、現在大手の銀行が融資している金額(2620億ドル)をはるかに下回るため、新型金融システムが“本格的な脅威”に変わる前に、銀行が何らかの対策を用いて食い止められるチャンスも残されているだろう。

簡単に融資できるP2Pを賞賛する風潮が高まる一方、「いまだ規制要求が確立していないため、資本バッファーが整えられていない」という不安要素を指摘する声もあがっている。資本バッファーとは、最低自己資本を上回る資本のことで、これなしのシステムはコスト削減につながるが、融資者側は法律によって保護されていないという大きなリスクを背負うことになるのだ。

こうした背景を踏まえたうえで、新型および既存型の金融システムが今後どのように共存していくのか。消費者側の注目はその点に集中すると思われる。 (ZUU online 編集部)

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